ガジェ通日誌「新人女性記者」「彼岸寺さん」「ネット生放送と台本」「警視庁の人によれば週刊朝日の内容はデタラメで記事は捏造」「取材のときに持っていくもの」

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サクマ式ドロップス

トップ写真はサクマ式ドロップスの非常・携帯用。こんなのあるんですね。知らなかった。

新人女性記者

ガジェ通編集部に新人記者さんが入って来ました。長屋綾香さんです。昨年末から新しいメンバーが入ってきてますが、記者やライターとして実績のある経験者ばかりでした。ですが今回はまったくの新人。いろんなことにチャレンジしてもらおうと思っていますので、あたたかく応援お願いします。

長屋さんが書いた記事

彼岸寺さん記事配信開始

縁あって「彼岸寺」さんから記事を配信していただくことになりました。

彼岸寺|超宗派仏教徒によるインターネット寺院
http://www.higan.net/

たいへん面白い読み物がたくさん掲載されているサイトでここで執筆している方の書籍も複数うまれています。記念すべき最初の配信記事はこちらです。

【ITビジネスマンの寺業計画書】お坊さんのカーライフ
https://getnews.jp/archives/161840

ネット生放送と台本

差し入れのカニ

そもそもゲーム実況が主体の生放送で台本の存在は希薄です。先日放送させていただいた60時間ゲーム実況では結局台本ではなく「ルールブック」をつくりました。ゲーム実況ではゲームの展開が予測不能、そしてその予測不能なものに合わせたトークが売りの実況者さん達が沢山集まるわけです。起きること話すことがすべて予測不可能。というわけでスタッフにも予測不能な事態に対する柔軟な対応が必要です。ルールブックには放送のイメージや出演する上でどのように考えて欲しいか、何が自由で何に制限があるかという決め事だけを掲載しました。いわゆる「リアリティーショー」といわれるものに近いのかもしれません。ネット生放送にはいくつかのやり方がありますが、やはり特に面白いのは「一定期間継続する予測不可能なもの」が主軸としてあってそこにユーザーコメント等、外から干渉する余地があり起きている事象に変化がもたらされるものです。ゲーム実況というのはそれらのバランスが絶妙に良い感じなんですね。まぁ、そうは言ってもまったく台本なしで60時間の放送に挑めるスタッフというのもなかなか居ないとは思いますが……これは本当にすごいことだと思います。なかなか他では真似できることではありません。あ、もちろん台本が大事な役割を果たす番組もありますよ!(写真は60時間ゲーム放送のときの差し入れのカニを解凍しているところ)

警視庁の人によれば、週刊朝日の内容はデタラメで記事は捏造なんだそうです

週刊朝日より引用

先日の週刊朝日に、警視庁のガサ入れの情報が事前に漏洩していたと書いてあったので、そのことについて警視庁の中の担当の人に質問してみたら、その週刊朝日の記事は捏造だと言われた、という話です。

週刊朝日には、はっきりと「事前に捜査情報を得ていた」ということが書いてあります。引用します。

 本誌は11月24日早朝から、札幌市の雑居ビル2階にある事務所を、少し離れた場所から注目していた。”ガサ入れ情報”を事前にキャッチしていたからだ。だが、動きはない。昼を過ぎて、空からは小雪が落ちてきた。空振りだったか、と事務所の周辺を歩くと、十数人が乗り込んだレンタカーのバンが止まっていた。
 情報は確かだった。
 彼らは間もなく、本誌が注目していた事務所に入っていった。そして午後4時すぎ、スーツ姿の刑事たちは、続々と押収した書類などを詰めた段ボールを持って外に出てきた。
(朝日新聞出版発行 週刊朝日より引用)
記事全文 http://www.wa-dan.com/article/2011/12/post-227.php

警視庁からマスコミへの捜査情報の漏洩といえば2010年10月に時津風親方に対してNHK記者が家宅捜索の情報を事前に伝えていたという事件が発表され、話題となったことがあります。およそ1年前の出来事ですがまだ記憶に新しい人もいるんじゃないでしょうか。この情報漏洩事件はこのNHK記者やNHK会長まで処分される大きなものへと発展したんですが、不思議なのは、肝心の警視庁側の調査内容が隠蔽されているという点です。隠蔽っていうか調査すらしてない可能性もあります。

そもそも情報管理にミスがあり、情報漏洩を起こしたのは警視庁ですから、本来であれば警視庁内でどこから情報漏洩がおこなわれたのか調査をおこない、しかるべきところできちんと調査結果を公表すべきです。それがおこなわれないのはまったくもって不思議です。

実はこの件に関して、当時NHKにガジェット通信からビデオカメラ付きで取材を申し込んだのですが、NHKからは「そのようなことをおこなっていない(ビデオカメラ付きでの取材受け入れはおこなっていない)」との回答が寄せられました(NHK自身はカメラ持っていろんなとこ取材に回ってるはずなので、意味わかんない回答ではあります)。NHKがトップの処分までおこなってあわてて幕引きをおこなったのは、警視庁に批判が及ばないようにするためなのでしょう。しかし、警視庁からの漏洩ルート解明がおこなわれずにこの件をなかったことにすることはできないと思います。

これも1年前、「sengoku38」氏による「尖閣ビデオ流出事件」では停職12カ月の処分が出されました(その前に本人は退職願を出しています)。公的機関からの情報漏洩は一方でこれほどの処分が下されるにもかかわらず、警視庁はどうでしょう。捜査情報が漏洩してもなんとも思っていないように見えるのですが。それどころか他者に責任を押し付けています。

さて、先日の週刊朝日の話に戻りますが、今回も「ガサ入れ情報が事前に漏洩」していたと書かれています。1年前の時津風親方事件での教訓は生かされず、同じことが繰り返されているように見えます。週刊誌が出てすぐに警視庁の中の人に「マスコミに捜査情報リークしたりしてるんですか?」ときいてみたところ「そんなわけない」との返答でした。そして「ではどこから情報が漏れているんですか?」との質問には「どこから漏れているか、こちらこそ教えて欲しい」との回答。ガジェ通が警視庁からマスコミへの情報漏洩ルートなんて知るわけないですし、知ってたらそもそも質問しないです。

後日、警視庁からガジェット通信に情報提供を求められたのですが、その際にもう一度その件に触れてみました。そもそもこちらとしてはこんな形で情報がダダ漏れの警視庁には情報提供なんてしたくないわけで、「協力はしたいですが、情報管理ができていない状態のままでは情報提供できないので、ガサ入れの件がどこから漏れたのか調査して公表してください」「週刊朝日が間違っているというのであれば朝日新聞出版に対して、我々にも見える形で抗議をおこなってください」とお願いしてみました。

しかし、警視庁の中の人いわく雑誌の捜査情報をあらかじめ得ていたという部分に関して「週刊朝日の内容はデタラメで記事は捏造だ」とのことです。確かにこの記事には間違いも見受けられます。例えば2ちゃんねるの削除について「『削除依頼』というスレッドから申し込みをして、それを管理人が承認しないと削除されない特別な仕組みになっている」と解説されていますが、2ちゃんでの削除は削除人というボランティアさんがやっているのであってそれをいちいち管理人が承認しているなんて話はきいたことないです。あやふやな知識のまま記事が書かれているようです。

ですが、この記事の肝心の部分、例えば冒頭の「本誌は11月24日早朝から、札幌市の雑居ビル2階にある事務所を、少し離れた場所から注目していた。”ガサ入れ情報”を事前にキャッチしていたからだ。」という記述が間違いで捏造だったら、この記事自体成り立たないですし、そもそもここから嘘だったら何を信じていいのかわかりません。

一体どちらが本当なんでしょう。

週刊朝日は事前に捜査情報を得ていたと言い、警視庁側はそれはデタラメだと言う。このままではどっちが真実を述べているのかわかりませんが、もし警視庁側が嘘を言ってたとしたら背筋が凍るほど恐ろしいです。週刊朝日側は早急にこの記事の内容が真実だという証拠を出して欲しいと思います。例えば取材時に撮ったガサ入れの様子の写真など、ジャーナリストならこれら証拠となる素材を撮ってないわけないので、公開して欲しいです。

もし週刊朝日から証拠となるものが公表されれば、警視庁は捜査情報を漏洩したばかりか、週刊誌に対して嘘の主張をしたということになり、ここまできたらもはや公的機関としての体をなしてないといえます。そして週刊朝日の記事が捏造だということになれば、これもまた雑誌ジャーナリズムって大丈夫なの? ということになります。どちらに転んでも恐ろしい話です。

取材のときに持っていくもの

新人さんが入ってきたので、取材時にどんなものを持ち歩いてるのか改めて考えてみたんですが、いやぁ、最近は機材が軽量コンパクト化してどんどん取材が楽になってますね。しかも高性能。スマホとキーボードがあれば取材して記事書くところまで全部できるようになっちゃってます。てなわけで、一人取材の際、どんな機材を持って行ってるか、ケース別にまとめてみました。

○超軽装取材時

・スマートフォン
・折りたたみキーボード

ぶっちゃけこれだけあれば記事書けます。スマホは基本常に持ち歩くものです。それだけでも記事書けますが、スマホのフリック入力だと誤字が増える傾向がありますので、折りたたみキーボードを持ち歩いて作業スペースをとれればそれで記事を執筆します。スマホのカメラ性能がかなり上がってきていますので、ブログメディアであればスマホで撮った写真でも十分使えます。

○軽装

・スマートフォン
・モバイルノートPC
・ICレコーダー
・モバイルルータ

インタビューの場合、これだけ機材あれば大丈夫です。慣れた人だとお話をききながらその場でノートPCに記事入力をしている方もいます。ただ、お話をききながらキータイプするのはなかなか難しく、訓練が必要です。元々新聞記者の方などはすごい勢いでタイプしてあっという間に原稿仕上げてしまう人もいます。僕なんかはそういうことできないのでICレコーダーでお話を録音させてもらってテープ起こしをして後日原稿にまとめます。お話をきいている間は話の流れや要点のみメモに残してあとはお話をきくことに集中します。要点メモの場合は紙に書いた方が楽です。場合によっては、相手に見えるようにフェルトペンでメモしてキーワードと話の方向性を共有しながら話をすすめる場合があります。どういうスタイルをとるかは人それぞれですし、お話をきく相手にもよります。ノートPCでメモしてたら怒られそうな雰囲気の場合もありますし……。

○標準

・スマートフォン
・モバイルノートPC
・ICレコーダ
・モバイルルータ
・デジカメ(一眼)
・ハンディカム(ガンマイク+ミニ三脚)
・ウェブカム
・USBキャプチャ

最近のコンパクトデジカメ(コンデジ)の性能が上がっているので、実はウェブニュースで使うということだけ考えるとポケットに入るコンデジだけでも十分です。ただ、ガジェ通の場合できるだけ高解像度で素材を保存しておこうということで、一眼持って取材いくことの方が多いです。また、こんだけの機材があれば生放送もできます。もちろんスマホだけでも生放送できるんですが、やや不安定な部分がまだ残っていますのでハンディカム+USBキャプチャ+ノートPCでおこなう形となります。ウェブカムはハンディカムやUSBキャプチャが調子悪い時のバックアップのため持っておきます。

○重装備

・スマートフォン
・モバイルノートPC
・ICレコーダ
・モバイルルータ
・デジカメ(一眼)
・ハンディカム(ガンマイク+ミニ三脚)
・ウェブカム
・USBキャプチャ
・ビデオ用三脚
・ミニ脚立

企業さんの製品発表会などの場合はこんなセットです。これぐらいが一人で持ち運べる限界でしょうか。スチルカメラ(静止画)のレンズは遠くから壇上を撮ることを意識したものと製品を接写できるものを組み合わせて持参します。速報を打つために現地で直ちに写真データを吸い上げてサーバーにアップすることができる準備をします。ガジェ通は通常あまり速報にこだわってはないですが、急ぎの場合はスマホで編集部とやりとりしながら原稿が上がったらすぐに校正して公開できる体制をつくります。現地記者が原稿を書くことができない場合は編集部で待機したスタッフが現地記者の話をきいて記事をまとめる場合があります。三脚があればこれを立てて壇上の映像記録または生放送しつつカメラを持って話をきいてまわるということもひとりでできたりします。三脚はできるだけ軽いものが良いですね。脚立は取材に来ているメディアの数が多い場合に重宝します。2、3段ぐらいの小さなやつです。例えば「フォトセッション」を言われるいわゆる撮影タイムが企業さんの製品発表会ではおこなわれます。みなさんもニュース写真で見たことがあると思いますが、発表会の開場で製品を持って会社の偉い人とかゲストの芸能人とかがカメラ目線で微笑んでる写真。場合によってはスーツ着た人たちが肩くんでたり、ガッツポーズしてたりなどさまざまです。この「フォトセッション」では写真を撮影したい人たちは一箇所に集められ、一斉に写真を撮るのですが、大きな発表会の場合はカメラマンが殺到して人垣の後ろで取り残されたりします。カメラマンはその瞬間いい場所にいなければいけない仕事なので場所取りはピリピリしてます。ときには乱暴な言葉のやりとりも。場合によっては壇上の人に対しても「何ボケっとつったってんだよ!もっと右に寄れ!」「もうお前写らなくていいよ!」などと言う罵声を浴びせるメディアもあります。なんか昭和テイストといいますか、お前何様だといった感じですが……。21世紀になって生まれたヤワなメディアである我々はそんな場所取りに割り込んでいく勇気はないのでこの脚立で勝負です。この上に乗れば、他のメディアの人達の頭越しに余裕で撮影ができます。

それにしてもこれだけの機材がひとりで持ち運べて取材から放送までできてしまうなんてすごい時代です。

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深水英一郎(ふかみん)

深水英一郎(ふかみん)

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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