5.21金環日食が中止 理由は「安全に見ないと危険」

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【2012年4月1日(エイプリルフール) アストロアーツ】

今年5月21日朝の金環日食が、「安全な方法で見なければ目を傷める恐れがあり危ない」という理由により中止が決定した。注目の天文現象として関連商品の売上も期待されていたが、日本の国土ではなく日本の経済に暗い影を落とすことになりそうだ。


日本の日食帯

5月21日は、太平洋側の地域(青色の帯の部分)で金環食、それ以外の日本全国で大きく欠けた部分食が見られる…はずだった。クリックで拡大

日本国内では25年ぶりに見られるとして話題になっていた天体ショーが突然の中止となった。5月21日朝、東京・名古屋・大阪などを含む太平洋側では太陽がリング状となる金環食が、それ以外の日本全国でも大きく欠ける部分食が見られるはずだった。

中止の理由となったのは、「太陽を見ることの危険性」。日食といえば、太陽がすべて隠れあたりが暗くなる皆既食のイメージが強いが、金環食ではリング状に残った部分が強烈な光を放つために暗くなることはなく、肉眼では欠けた様子も見ることはできない無理に見ようと太陽を直視すると目を傷めてしまうため、非常に危険なのだ。

サングラスなどのような「黒っぽい、透過性のあるもの」では十分に減光できないため、安全とは言えない。「太陽観察用の専用フィルターを使って見る」か、「小さな穴を通す、あるいは鏡で反射して投影した太陽光を見る」しか観察方法がない。

さらに、今回の日食は生徒・児童の登校時間にも重なる。上述のように太陽観察には大きな危険が伴うほか、道路上で見上げるなど交通の上での危険性も考えられるため、大人がそばについて適切な方法で観察を行う必要がある

こうした呼びかけは文部科学省や天文界などでも行われてきたが、「中止になる恐れがある」という警告はさすがになされていなかった。

日食観察プレート

大きいのでデジカメなどで撮影しやすく、カットすれば5人分の太陽観察用メガネにもなる…はずだった「日食観察プレート」。「6月6日金星太陽面通過観察プレート」に改名するかどうかは「長すぎるとの意見もあり、慎重に検討中」(アストロアーツ)とのことだ。

金環日食中止は、関連商品の売上にも大きな影響を与えそうだ。月刊「星ナビ」や天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」などを制作する株式会社「アストロアーツ」では、金環日食特設サイトを開設して情報を発信するほか、日時や場所を設定して各地の日食の経過を詳しくシミュレーションできるソフト「エクリプスナビゲータ2012」や、大判で見やすく、切って使えば5人分の日食メガネにもなる「日食観察プレート」など数々の関連商品を開発・販売してきた。4月5日には「星ナビ増刊 金環日食を見る」(500円。A5判観察プレート付き)が全国の書店・コンビニなどで発売される。

アストロアーツの小熊正美社長は、「日食は多くの方々にとって宇宙の神秘に親しむよい機会。危険だからこそ、安全な方法で楽しんでいただくための解説本やグッズを作ってきたが…」と残念がる。

星ナビ増刊 金環日食を見る

誰よりも早く、2030年6月1日の北海道金環日食に備えよう!「星ナビ増刊 金環日食を見る」(日食観察プレート付き。500円)は予定通り4月5日から発売。クリックで拡大

一方、月刊「星ナビ」の川ロ編集人は「こんなこともあろうかと、アストロアーツの金環関連本では6月6日の金星太陽面通過や、11月14日のケアンズ皆既日食についても取り上げている。3月から発売されているムック「金環日食2012」では30年後までに起こる金環日食・皆既日食をすべて解説し、太陽関連のイベントをこれからも楽しんでもらえる保存版になっている。天文の楽しみは一過性ではなく一生続けられるものだから、1回の金環中止ごときではめげません」と意気込む。

危険性の周知と安全性の向上をいっそう図り、金星の太陽面通過や11月の日食、さらに今後も数多く起こる天文現象を安全に楽しみたい。

なおエイプリルフールについては多分危険性がないため、日曜日でも中止にはならないとのことだ。

この記事は2012年4月1日にエイプリルフール記事として公開したものです。5月21日の金環日食は予定どおり実施される見込みです。記事にある注意事項は真実ですのでしっかり守って観察しましょう。関連商品もすべて実在のものです。ぜひお求めください。

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