マネーと制度   |   買う
連載今週の住活トピック
やまくみさん正方形
山本 久美子
2012年1月31日 (火)

【今週の住活トピック】3月までが有利!住宅ローン「フラット35」が4月から制度変更

2012年4月1日以降の申し込み分から「フラット35」の制度変更を行うと、(独)住宅金融支援機構が公表した。融資率の上限減少や金利引き下げ期間の短縮などを予定しており、借りるなら3月までのほうが有利となりそうだ。

■フラット35って、どんな住宅ローン?

「フラット35」は住宅金融支援機構と民間金融機関との提携ローンで、全期間固定金利(借入期間が20年以下と21年以上35年以下で金利が異なる)である点が最大の特徴。金利や返済額が変わらないので、長期的な家計管理がしやすいほか、保証料が不要、繰り上げ返済手数料が不要、同機構の技術基準検査に合格した良質な住宅に適用されるといった特徴がある。ただし、金利や融資手数料などは取り扱う金融機関によって異なり、団体信用生命保険は任意の加入となる。

また、「フラット35」のほかにも、借入期間36年~50年以下の「フラット50」や借り換えに利用できる「フラット35/借換融資」などがある。
金利が優遇されることで注目を集めた「フラット35S」は、省エネや耐震などの一定の基準を満たす住宅の場合に、フラット35の金利を一定期間引き下げるスペシャル制度。2011年第3次補正予算によって、フラット35Sエコとフラット35Sベーシックに分けられ、現在は以下のような金利の引き下げを行っている。

【今週の住活トピック】3月までが有利!住宅ローン「フラット35」が4月から制度変更

■制度変更で、融資率や金利引き下げ期間が変わる!

2012年度の政府予算成立を前提としているが、2012年4月1日申し込み分からは、次の2点の制度変更が予定されている。

(1)フラット35及びフラット35Sベーシックの融資率の上限を、建設費または購入価格の10割→9割に引き下げ
【例】新築住宅購入価額が3,000万円の場合
   融資限度額:2,700万円(=3,000万円×9割)
(2)フラット35Sベーシックの金利引き下げ期間を、当初10年間→当初5年間に変更
※長期優良住宅等の特に性能が優れた住宅の場合は、フラット35Sベーシックの金利引き下げ期間を、当初20年間→当初10年間に変更
(注)金利引き下げ幅に変更はなく、年▲0.3%

なお、フラット35Sエコについては、2011年度第3次補正予算に伴う制度拡充終了日(2012年10月31日予定)までは現行のまま。制度拡充終了日(予算枠に達する見込みとなった場合は早期に終了)の翌日からは、フラット35Sベーシックと同じ条件(融資率及び金利引き下げ期間・引き下げ幅変更)となる。

頭金不足のためにフラット35を10割借りようと思っていた人やフラット35Sベーシックを利用する予定の人は、3月末までに申し込みができるかどうか、確認をしたほうがよいだろう。

(独)住宅金融支援機構フラット35のご案内
HP:http://www.flat35.com/loan/flat35/index.html

https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/97a3e7d658abcc014cf75ce60ff9c1b1.jpg
連載 今週の住活トピック 住宅ジャーナリストが住まいの最新ニュースを紹介&解説する連載。毎週水曜更新の「今週の住活トピック」。
566
前の記事 中古住宅・リフォームへの不安が解消され、決断しやすくなる!?
次の記事 この資金計画アリ? 住宅ローンの借り方・返し方をお金のプロに相談(8) …
SUUMOで住まいを探してみよう