【今週の住活トピック】
夏のボーナスの額は調査開始以来最低の61.1 万円/損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命保険
http://diy.co.jp/cms/news/2012/1207054388.html
この夏のボーナスに関して、損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命保険(株)から面白い調査結果が発表された。全国の 20~50 代のサラリーマン世帯の主婦 500 名に「2012 年夏のボーナスと家計の実態」を調べたところ、昨年と比べ“夫のボーナス”は減っている一方、“妻のへそくり”は増えているというのだ。また、ボーナスの使い道では「ローンの支払い」がけっこうな額を占めるようなのだが…。
調査結果によると、この夏の夫のボーナスの手取り額を聞いたところ、平均の手取額は61.1万円だった。昨年より6.5万円減少し、調査開始以来最低だという。夫が役職なしの場合は45.6万円、係長・主任クラスで54.1万円、課長クラス以上で88.9万円といった違いがある。しかし、昨年との増減を聞いたところ、「昨年と同額」(46.6%)が最も多く、昨年より「増えた」(24.4%)と「減った」(24.0%)は拮抗している。
そのボーナスの使い道(複数回答)は、断トツで「預貯金」(72.8%)。次いで「生活費の補填」(38.2%)、「ローンの支払い」(32.6%)が続く。旅行や買い物などの消費にはあまり回っておらず、ボーナスが将来の備えや家計のやりくりに使われ、消費の低迷を裏付ける結果となった。
具体的に使われる額を、ボーナスの全額を10割とした場合のそれぞれに占める割合で答えてもらったところ(下図は平均値を100%に換算したもの)、「預貯金」(39.6%)に次いで「ローンの支払い」(14.3%)が2位に浮上した。これはローンのない世帯がある一方で、ローンを抱える世帯ではかなりの額を支払っているからだろうと推測する。
さて、ボーナスにおけるローンの返済の注意点について考えてみよう。
ボーナスは、景気や会社の業績によって増減するものだし、月々で不足する生活費の補填という待ったなしの状況で使われる場合も多い。したがって、ローンの返済方法として安易にボーナス時の返済を当て込むと、返済が難しくなる危険性があるのだ。最近では、ボーナスをローンの返済に回さずに毎月返済のみにする人が多くなっている。ボーナス返済を利用する場合でも、10万円以下などの無理のない額に抑えるのがよいだろう。
昇進等でボーナスが増えた場合は、「繰り上げ返済」でローンの元金の一部を返してしまう方法もある。返済期間を短縮する繰り上げ返済をすれば、定年までに完済できる可能性も高くなるうえ、利息を減らす効果もある。「ボーナスが○万円より多く出たら繰り上げ返済に回す」など、あらかじめルールを決めておくとよいだろう。
ボーナスの主な使い道が総額に占める割合(平均値)※サラリーマン世帯の主婦500 名に聞く「2012 年夏のボーナスと家計の実態調査」(損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命保険)P14より抜粋
一方、妻が持っている夫に内緒の資産(へそくり)は、平均額が昨年より 47.7 万円多い384.3 万円だった。これは過去最高の結果だという。しかし詳しく見てみると、「夫に内緒の資産」がある妻は、43.6%と半数以下。内緒の資産を得たのは、「結婚前に貯めていたお金をとっておいた」(54.1%)、「結婚後、自分が勤めて稼いだお金を貯めた」(37.6%)と、自分で働いて貯めたお金が多い。いわゆる“へそくり”らしい「結婚後、生活費を浮かせるなどしてこつこつ貯めた」は28.0%だった。
では、夫に内緒の資産を持つ目的はなんだろう? 「自分の趣味や買い物のため」(42.2%)という理由もあるが、「老後の備え」(45.9%)、「家族の病気などに備えて」(34.4%)、「子供の将来のため」(28.4%)、「夫の失業に備えて」(16.1%)など「生活防衛」的に蓄えていることがうかがえる。また、筆者が注目したのは、「離婚のための備え」を目的に挙げる妻が11.5%(同率7位)もいたこと。蓄えを使うことになる万一の事態の中に、妻はしっかり離婚を想定しているのだ。こんなしっかり者の妻を、世の男性諸氏はどう思うのだろうか?