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2013年3月11日 (月)

長野県でのセカンドライフをJR東日本がサポート!その内容って?

JR東日本がサポートする長野県でのセカンドライフ(写真: iStockphoto / thinkstock)
写真: iStockphoto / thinkstock

JR東日本がユニークな取り組みを実施しようとしている。長野県佐久市と連携して、佐久市への移住をサポートするサービスを計画しているのだ。

本来は鉄道会社であるJR東日本が、なぜこのようなサービスを計画しているのか。そしてなぜ佐久市を選んだのか。その辺の詳しいお話を、JR東日本 鉄道事業本部の村上氏に伺った。

「ターゲットとしているのは・セカンドライフを田舎で過ごしたい、と検討しているシニア層です。リタイア後に都会の喧騒から離れて、”木々や花々を毎日愛でたい””移住先で地域のために働きたい”と考えている方を想定しています。とは言いつつも、これまでの友人や家族との交流が途絶えてしまうのはさみしいものですよね。ですので、都市部へのアクセスの良さも重要なポイントだと考えています」

長野県佐久市に注目したのは、新幹線で都市部にアクセスしやすい(東京から1時間20分程度)という理由があるようだ。しかし、それだけではない。

「長野県は、雑誌や国交省のアンケートで、希望する移住先としてたびたび1位になる人気の県です。その中でも、佐久市は特に移住施策を強く進めています。空き家バンク事業や、佐久市と首都圏に専門の移住相談員を配置するなど、移住者の受入体制が整っていることが決め手となりました。もちろん、住みやすさも抜群です。自然環境がとてもいいし、医療体制も充実しているので、安心して暮らせると思います」

JR東日本では、具体的にどういった形で移住のサポートをしていくのだろうか?

「移住に先立っての現地視察ツアーを計画しています。温泉や森林セラピー、山菜採りなどを実際に体験していただき、それに加えて、病院などの医療施設の案内や移住説明会、空き家物件・分譲地の見学会などにもお連れします。移住が進めば、実際に都市部との行き来がさかんになります。それに合わせて、佐久市~首都圏間の新幹線運賃を割り引くなどのサービスも検討中です」

そもそもJR東日本は、グループ経営構想の中で「地域に生きる」という目標を掲げていた。一方自治体側は、それぞれ移住支援の仕組みを構築していたものの、移動コストが悩みの種だった。そこで、JR東日本が運賃の割引やツアーを計画することにより移住先との橋渡しをすることを考えたのだという。

同社は、シニア層を対象とした「大人の休日倶楽部」を運営しており、この会員向けに、情報提供やツアーの募集をしていく予定。また、佐久市以外の地域についても、今後連携を検討するという。

最後に村上氏は「地方への移住が活性化することで少しでも地域振興のお役に立てればと願っている」と、意気込みを語ってくれた。この取り組みが広がれば、自分たちのセカンドライフをどう充実させるか、選択肢がぐっと広がりそうだ。

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