9月17日は、酒にまつわる短歌を数多く残した歌人・若山牧水の命日だ。若山牧水といえば、まだ暑い時期に亡くなったにも関わらず、しばらく遺体から腐臭がしなかったため、“生きたままアルコール漬けになったのでは?”と医師を驚嘆させた逸話まで持つ正真正銘の酒好きだ。彼が愛してやまなかった日本酒は、現在では世界中でその魅力を知られるようになった。
日本酒は米と麹と水を原料とする醸造酒であり、日本各地の醸造元でつくられている。原料となる米の種類やその土地の風土、また造り手の技術によって味が変化するため、これまで数々の名酒が誕生してきた。
ところでこの日本酒だが、材料と器具をそろえて自宅でつくることはできないのだろうか。自分でつくれば愛着がわき、より日本酒を楽しめそうな気も…。そこで今回は“きき酒師”を認定している、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会の後藤京子さんにお話を伺った。
まずは、日本酒を自宅でつくってもいいのか聞いてみた。
なるほど、日本酒の醸造は法律的に禁止されているようだ。しかも税法において禁止されているのは意外だ。しかし、梅酒を漬けている家庭はたくさんありそうだが、なぜ梅酒を代表とする一定の果実酒については認められているのだろうか?
日本酒は残念ながら自宅で製造できないが、果実酒なら大丈夫とのこと。そこでここからは、これからの季節にぴったりの果実酒をいくつかご紹介したい。
【梨の果実酒】
■材料
梨(可食部分)800g、砂糖100g、焼酎1.8L(アルコール度数35%以上)
■つくり方
1.広口の瓶を熱湯消毒する
2.梨の芯をとり、皮がついたまま適度な大きさにカットする
3.梨の水気を拭き取り、砂糖とともに瓶に入れ、焼酎を注ぐ
4.3カ月ほど置くと熟成した美味しい梨酒に
【ざくろ酒】
■材料
ざくろの実500g、果皮200g、レモン4〜5個、氷砂糖100g、焼酎1.8L(アルコール度数35%以上)
■つくり方
1.熟したざくろの実の皮をむく
2.レモンの皮をむき、2つから3つの輪切りにして焼酎に漬ける
3.果皮は5〜7日で引き上げ、ざくろの実とレモンをそのまま2カ月漬け込めば完成
果実酒なら漬け込むだけで完成するので手軽に始めることができる。しかし、やはり日本酒好きならその製造についても気になるところ。どこか見学できる場所はないのだろうか。後藤さんに聞いてみると、
とのこと。気になる方はぜひ訪れてみよう。