山田征さんのお便り;火力バックアップとセットの原発 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

僭越ではありますが、原発の基本的なシステムについて
少し書かせていただきます。

原発は、それ自体で独立しているシステムではありません。
全ての原発は必ず同じ出力の火力発電(バックアップ発電)設備と
セットになっております。それには二つの理由があります。

①まずひとつは、国を大きく分けた各ブロックごとの独占企業である
 電力会社に課せられたデンキの「安定供給」の義務があります。
 今回のような地震、あるいは事故による緊急停止の際、瞬時に切り替え
 停電を防ぐ「スタンバイ」システムです。
②もうひとつ、こちらは原発と不可分の要因です。
 通常時の原発は、点火後、約一週間かけて徐々に出力を上げ100%に
 移行します。出力を落とす時はその逆行程です。
 その時、例えば出力100万kwの原発が単独で出力を上げるならば
 その分余分なデンキが市場に溢れてしまいます。単独で停止すれば
 大停電です。そうならないために、必ず同じ出力の火力発電が
 ちょうど公園などにありますシーソーゲームのように、
 原発の上げ下げの片方となってバランスをとります。このように
 火力が原発を補佐することで原発の稼動が可能となっています。
 この情報は、福島原発6号炉と、東海原発2号路を総監督として
 建設した、元GEエンジニアだった菊池洋一さんによるものです。

従って、日本にある全ての原発には必ずバックアップ発電装置があり、
いつ何時、全てが停っても停電しない仕組みができあがっています。
2003年、4月から数ヶ月のあいだ、東京電力所有の17基全てが
停止していました。また、四年前の中越沖地震の時、柏崎刈羽原発7基
全てが約2年停止しましたが、停電はありませんでした。
今回のこの停電(計画)騒ぎは、これらの原発とセットになっている
火力発電や水力も共に壊れたことによります。
原発が停止したからではありません。
これは、大変重要な事実であり、情報であります。
このことが全く知らされていないために、これほどの重大事故
大惨事になってもなを、デンキのためには「危険でも原発はやっぱり
必要だ」という筋書きになってしまいます。
現に多くのマスコミも一般の人たちも、そのように発言していて
背筋の凍る思いがします。
このような大災害はこれで終わり、ではないと思います。
せめて原発による放射能被害を二度と繰り返さないために
日本中に在る全ての原発を即刻止めてもらいたいと思います。
人類滅亡の終着点になってしますのは困ります。  山田征

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※「ひとりNGO」などの著者。