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末吉 陽子(やじろべえ)
2013年12月7日 (土)

2013年を代表するリノベ物件が決定! 一番魅力的に変身した住まいとは?

各賞の受賞者と選考委員の皆さん。どのリノベーション事例も、実際に住みたくなるようなワクワクするものばかり(画像提供:リノベーション住宅推進協議会)
画像提供:リノベーション住宅推進協議会

今年一年を代表するリノベーション住宅を選考するコンテスト「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」の授賞式が、11月3日に行われた。第1回目となる今年は、全国に380社あるリノベーション住宅推進協議会加盟企業が手掛けた物件のなかから、施工に掛かった費用(300・500・800万円未満、800万円以上、無差別級)ごとに、それぞれ10作品がノミネートされた。

最終選考には、住宅に関わる新聞や雑誌などのメディアに携わる方々が、選考委員として参加。「思わず媒体に取り上げたくなるような、新しさや意外性を感じるリノべ作品」を選考基準に取り入れ、総合グランプリをはじめとする各賞が決定された。さらに、同コンテストでは消費者参加型を採用。特設サイト内におけるノミネート作品画像の閲覧数および、facebookやtwitterなどSNSでの反響を踏まえた選考が行われた。

リノベーションの面白さや楽しさが伝わる作品が集結!

選考委員から「レベルの高さやバラエティの豊かさが際立った」というコメントが聞かれたノミネート作品。そのなかから、各部門6作品が最優秀賞に選出。住む人の希望を叶えるための知恵と工夫が伝わり、暮らしに寄り添ったものが評価された。それでは早速、各賞受賞作品を紹介しよう。

◆300万円未満部門 最優秀作品賞
<再びリノベーション~こどもべやができた夏~>(株式会社錬)

リノベーションEXPO JAPAN 2013

【画像1】一度に全て完成させるのではなく、今後の家族構成の変化も想定に入れたリノベーション。自分たちの好みにリノベした部屋に2年間住んだのち、2回目のリノベでは子どもの成長にあわせて子ども部屋を造作。最初のリノベで、将来的に子ども部屋をつくることを想定し、壁の下地や電気配線などを設置していたという。ちなみに、ドアノブや壁は施主さんがDIYしたもの。住む人を巻き込んだリノベ―ションの新しいかたちを提案(画像提供:株式会社錬)

◆500万円未満部門 最優秀作品賞
<ウナギノオウチ>(株式会社インテリックス住宅販売)

リノベーションEXPO JAPAN 2013

【画像2】細長い空間を広く有効活用するため、2Kの間取りから1Rにチェンジ。解体から床張りまで施主さんが参加。「コストを抑えつつ、出来る限り自分たちでリノベーションしたい」という希望を実現させた。住む人のこだわりが伝わる作品(画像提供:株式会社インテリックス住宅販売)

◆800万円未満部門 最優秀作品賞
<畳のロフト、窓のあるお風呂など、一人仕様を極めたワンルーム>(株式会社錬)

リノベーションEXPO JAPAN 2013

【画像3】「30代女性が一人暮らしを快適に過ごす」というポイントを追求した作品。上部が畳の寝室、下部が収納となるボックス型のロフトを設けて、空間を有効に活用。また、「休日の昼間に太陽の光を受けながら、お風呂で読書をしたい」という要望を反映するため、リビングへ向けた大きな窓を浴室に設けた(画像提供:株式会社錬)

◆800万円以上部門 最優秀作品賞
<FURNITURE半身浴>(株式会社ブルースタジオ)

リノベーションEXPO JAPAN 2013

【画像4】陽光が差し込み風通しもいい築45年のマンション。「広い部屋に住みたい」と希望し転居したという施主さん。部屋を広く使いたいと思っても、物を置くと狭くなるというジレンマがあったそう。そこで、家具の高さを合わせるという方法を提案。平面をフラットにそろえることで、空間の横への広がりを演出した(画像提供:株式会社ブルースタジオ)

◆無差別級部門 最優秀作品賞
<大正時代の京町家をシェアハウスへとリノベーション>(株式会社八清)

リノベーションEXPO JAPAN 2013

【画像5】築90年の京町家を「食と趣味」をテーマにしたシェアハウスへと生まれ変わらせた。大人の入居者が充実した生活を送れるようにするため、蔵はシアタールームと図書室へリノベーション。ガーデニングや家庭菜園もつくれるスペースも確保した(画像提供:株式会社八清)

<築40年プレハブアパート再生「さくらアパートメント」>(株式会社ブルースタジオ)

リノベーションEXPO JAPAN 2013

【画像6】築40年弱の軽量鉄骨造のアパート1棟丸ごとリノベーション。空気感や風の抜け、採光など、良環境を最大限に引き出し、クルミの無垢フローリングや木瓦、スチールとオークのインテリアなど本物の素材を配した温かみのある共同住宅へと再生した。現在も多く残る「1970年代量産型アパート」の活用方法が模索されるなか、ひとつの答えになるような作品(画像提供:株式会社ブルースタジオ)

エントリー数152作品の頂点に輝いたのは…?

これらの最優秀賞のなかから、栄えある総合グランプリに選ばれたのは<FURNITURE半身浴>(株式会社ブルースタジオ)!

物を置かずにシンプルにして部屋を広く見せる、というやり方ではなく、面を上手く使って空間の広がりを感じさせるという意外性のある解決手法が評価された。

この手法の仕組みについて株式会社ブルースタジオの石井健さんは、「プールをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。プールの底、水面、天井が水平なことで、横の広がりが一層感じられます」と話す。

その他の受賞作品は以下の通り。

◆R1住宅特別賞
<自然素材に囲まれた味わい深いワンルーム>(株式会社アート&マテリアル)
<ユカMANIA>(株式会社サジェスト nuリノベーション)

◆再販リノベーション特別賞
<練馬石神井台の家>(株式会社リビタ)
<美味しい食パンHOUSE 『あなた仕上げで創る家』>(株式会社コスモスイニシア)

◆クール・ジャパン賞
<一棟貸し宿泊施設に生まれ変わった洛中の京町家>(株式会社八清)

◆パブリック賞
<空のリビング>(株式会社アポロ計画リノベエステイト事業部)

◆最大「いいね!」獲得賞
<ヘリンボーンに貼ることで床がリズムを刻み…>(9株式会社)

◆エンターテイメント賞
<「走る。リノベる。」バスツアー>(リノベる。株式会社)

リノベーションされた住まいの魅力だけではなく、作品のタイトルやコメント、写真など、プロモーションのこだわりも評価に加味された同コンテスト。作品からは、新築にもリフォームにもない「住居のマイナス面をプラスに転換する」「住人参加型で、新しい暮らし方を見つける」といった、リノベーションならではの工夫する楽しさが感じ取られた。

●リノベーション・オブ・ザ・イヤー2013
HP:http://www.renovation.or.jp/expo2013/oftheyear/
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