今年一年を代表するリノベーション住宅を選考するコンテスト「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」の授賞式が、11月3日に行われた。第1回目となる今年は、全国に380社あるリノベーション住宅推進協議会加盟企業が手掛けた物件のなかから、施工に掛かった費用(300・500・800万円未満、800万円以上、無差別級)ごとに、それぞれ10作品がノミネートされた。
最終選考には、住宅に関わる新聞や雑誌などのメディアに携わる方々が、選考委員として参加。「思わず媒体に取り上げたくなるような、新しさや意外性を感じるリノべ作品」を選考基準に取り入れ、総合グランプリをはじめとする各賞が決定された。さらに、同コンテストでは消費者参加型を採用。特設サイト内におけるノミネート作品画像の閲覧数および、facebookやtwitterなどSNSでの反響を踏まえた選考が行われた。
選考委員から「レベルの高さやバラエティの豊かさが際立った」というコメントが聞かれたノミネート作品。そのなかから、各部門6作品が最優秀賞に選出。住む人の希望を叶えるための知恵と工夫が伝わり、暮らしに寄り添ったものが評価された。それでは早速、各賞受賞作品を紹介しよう。
◆300万円未満部門 最優秀作品賞
<再びリノベーション~こどもべやができた夏~>(株式会社錬)
◆500万円未満部門 最優秀作品賞
<ウナギノオウチ>(株式会社インテリックス住宅販売)
◆800万円未満部門 最優秀作品賞
<畳のロフト、窓のあるお風呂など、一人仕様を極めたワンルーム>(株式会社錬)
◆800万円以上部門 最優秀作品賞
<FURNITURE半身浴>(株式会社ブルースタジオ)
◆無差別級部門 最優秀作品賞
<大正時代の京町家をシェアハウスへとリノベーション>(株式会社八清)
<築40年プレハブアパート再生「さくらアパートメント」>(株式会社ブルースタジオ)
これらの最優秀賞のなかから、栄えある総合グランプリに選ばれたのは<FURNITURE半身浴>(株式会社ブルースタジオ)!
物を置かずにシンプルにして部屋を広く見せる、というやり方ではなく、面を上手く使って空間の広がりを感じさせるという意外性のある解決手法が評価された。
この手法の仕組みについて株式会社ブルースタジオの石井健さんは、「プールをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。プールの底、水面、天井が水平なことで、横の広がりが一層感じられます」と話す。
その他の受賞作品は以下の通り。
◆再販リノベーション特別賞
<練馬石神井台の家>(株式会社リビタ)
<美味しい食パンHOUSE 『あなた仕上げで創る家』>(株式会社コスモスイニシア)
◆クール・ジャパン賞
<一棟貸し宿泊施設に生まれ変わった洛中の京町家>(株式会社八清)
◆パブリック賞
<空のリビング>(株式会社アポロ計画リノベエステイト事業部)
◆最大「いいね!」獲得賞
<ヘリンボーンに貼ることで床がリズムを刻み…>(9株式会社)
◆エンターテイメント賞
<「走る。リノベる。」バスツアー>(リノベる。株式会社)
リノベーションされた住まいの魅力だけではなく、作品のタイトルやコメント、写真など、プロモーションのこだわりも評価に加味された同コンテスト。作品からは、新築にもリフォームにもない「住居のマイナス面をプラスに転換する」「住人参加型で、新しい暮らし方を見つける」といった、リノベーションならではの工夫する楽しさが感じ取られた。