細かいところで気になる点もいくつかありますが、とても良い端末に仕上がっています。
auから5月25日にリリースされたばかりのスマートフォン「HTC J」。最新のスマートフォンだけに気になっている方も多いのではないでしょうか? 今回はHTCさんのご好意で端末をお借りすることができたので、実際に使ってみた正直な感想をレビューでお届けします。auとHTCが放つ最新機種の実力はどれほどのものなのか? 以下にて早速どうぞ。
どんなものなの?
グローバルモデルの「HTC one S」をベースにワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信などの日本仕様の機能が搭載されたauのスマートフォンです。名前に付いている「J」はもちろん「Japan」を指しています。
デザイン
少し丸みを帯びたデザインで、持った時に手に馴染みます。また、周囲に丸みを帯びた曲面ガラスを採用しているので、とても柔らかい持ち心地です。
画面が大きく、縦に長いデザインはiPhoneやガラケーのサイズに慣れたユーザーには少し大きく感じるかもしれません。しかし幅はそこまで広くないので持ちにくい感じは特にありませんでした。スクリーンが4インチ台の端末なので、大きいと感じるかちょうど良いサイズと感じるかは個人差があるでしょう。実際に店頭で手にとってみて、自分に合うサイズかどうか比べのが良いと思います。
少し気になったのはイヤホン端子と外部接続端子のカバー。若干かたくてケーブルの抜き差しに一手間かかるのと、長期の使用での破損や紛失の恐れを考えると個人的にあまり好きではありません。しかし、防塵の意味合いもあるのでユーザーの意見が別れるところでしょう。裏蓋は開く仕様となっており、そこからバッテリー、microSDカード、au ICカードの取り外しができます。裏蓋は開けにくいですが、そこまで頻繁に開け閉めするものではないので特に問題には感じませんでした。スクリーン
4.3インチの有機ELディスプレイは、qHD画質でとても色鮮やか。画質のシャープさに関してはiPhone 4Sほどではありませんが、発色に関してはこちらのほうが色に温かみがあると感じました。
カメラ
カメラは起動が高速で、連写もサクサク。8メガピクセルのカメラは普段の撮影程度ならコンパクトデジカメ替わりに使えるでしょう。動画撮影もとても手軽でした。ロック画面からカメラにアクセスができるので、急なシャッターチャンスにも対応できそうです。HTC Jで実際に撮影した画像と動画です。
イヤホン音質
標準で「Beats by Dr. Dre urBeats」イヤホンが付属。他の一般的なスマートフォンに同梱される標準イヤホンと比べるとその音質の差は歴然です。スマフォの場合、電池の消耗など気にするユーザーもいるでしょうが、音楽プレイヤーとして使わないのはもったいないと言えるでしょう。
操作感
タッチ画面のレスポンスはとても良好。メニュー画面もストレスなくナビゲートすることができます。
電源とボリュームボタンは本体からの出っ張りが小さく、デザイン的には本体と統一感があり美しいですが、押した感じは浅めです。もう少しボタンを押した時のクリック感があっても良かったかもしれません。
「戻る」「ホーム」「メニュー」ボタンは物理ボタンがないデザインですが、誤って押してしまうことが何回かありました。押すつもりがなくてもに少し触れるだけで反応してしまうので、アプリから突然ホーム画面に戻ってしまうことも。ここはHTC Jを使っていてフラストレーションに感じたことの一つです。
バッテリー
バッテリーは1810mAhで、スペック上は連続通話時間約560分、連続待受時間約310時間となっています。カメラで写真を50枚ほど撮影し、数十秒の短い動画を数本撮影、さらに電車の中で音楽プレイヤー、ウェブ閲覧をそれぞれ1時間ほど使ってみましたが、一日は余裕で持つ感じでした。(もちろん使いかたによってバッテリーの持続時間は変動するのであくまで参考までに)
ちなみにACアダプターは別売りとなっています。
その他の機能
おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグといった日本国内のユーザーによく使われる独自機能を搭載。また、microSD、 WiMAXにも対応しています。「~@ezweb.ne.jp」のメールアドレスもそのまま使えるので、ガラケーから乗り換えるユーザーでもいままで使ってきた機能がほとんど揃っていることになります。
「HTC J」の良いところ
やはりカメラと付属のイヤホンの音質でしょう。電話としてのメインの機能ではありませんが、よく使われる機能なので品質が良いに越したことはありません。HTC Jがあればカメラと音楽プレイヤーを一緒に持ち運ばなくていいのは便利ですよね。
また、前述のようにおサイフケータイや赤外線など日本独自の機能も充実しているので、以前からそのような機能を使ってきたユーザーには嬉しいところでしょう。
残念なところ
先ほども書きましたが、「戻る」「ホーム」「メニュー」ボタンが敏感すぎると感じました。タッチスクリーンの下の方を操作しようとしたら「戻るボタン」を押していた、横持ちで操作していたら間違って「ホームボタン」に触れてしまった、ということが端末を触っている時に何回かありました。それぞれのボタンのアイコンよりも広い範囲がタッチの認識エリアになっているということに注意です。慣れれば誤操作もなくなるかもしれませんが、慣れない状態でも誤操作が無いデザインだったらベターでした。
買いなの?
端子カバーやホームボタンなどの細かいデザイン面で気になるところはいくつかありましたが、全体的にみてとても優れたスマートフォンだと思います。
特にauのスマートフォンでiPhone以外の選択肢を求めているユーザーは真剣に検討しても良い端末でしょう。またガラケーからスマートフォンへの乗り換えを考えている方は、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグ、microSD、 WiMAXなど、iPhoneには無い独自機能が魅力的だと思います。カメラも音質も専用の機器に劣らない品質なので、Androidのスマートフォン一台ですべてを完結させたいという方にぴったりな端末です。
OS: Android 4.0
ディスプレイ: 約4.3インチ 有機EL
CPU: MSM8660A 1.5GHz デュアルコア
カメラ: メイン:約800万画素 CMOS、サブ:約130万画素 CMOS
重量: 約142グラム
サイズ: 約66(W)×132(H)×10.0(D)ミリメートル (最厚部約11.2ミリメートル)
バッテリー容量: 1810mAh
内蔵メモリ: 16GB
外部メモリ: microSDHC(最大32GB)
カラー: レッド、ホワイト、ブラック
HTC J [au]
(ニール太平)