住まいの雑学
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SUUMOジャーナル ピックアップ
2013年3月7日 (木)

566cmもの積雪を記録した“酸ヶ湯”ってどんな場所なの?

酸ヶ湯(すかゆ)では、566センチという過去最大の積雪量を記録し話題に

3月を迎え、関東では春の足音が聞こえてきたが、北海道や東北ではまだまだ雪が降り続いている。特に青森市・酸ヶ湯(すかゆ)では、2月26日に566cmという過去最大の積雪量を記録し話題となった。

500cmを超す積雪ともなると、関東に住む人間には想像もつかないが、実際に酸ヶ湯で過ごす方々は、どのようにこの大雪に対処しているのだろうか? そこで、青森市の市役所にこの酸ヶ湯について、また大雪に対する周辺住民の反応などを聞いてみることにした。

お話を伺ったのは青森市役所広報広聴課の奈良さん。まず酸ヶ湯という地域について聞いたみた。

「最初に申し上げたいのは、既にご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、八甲田山のふもとにある酸ヶ湯という地域には、酸ヶ湯温泉という観光地があるだけで、周辺に住生活者がいらっしゃるわけではないのです。ですから一部でなされている、地元の方々が大雪による被害を受け、苦労をされているだろうといったニュアンスの報道は、正しくはありません」

たしかに、テレビ報道で酸ヶ湯の様子だけを見ていると、青森県全体が大雪に包まれていると勘違いしている人も多そう。では住生活者が多い市街地はどんな影響があるのだろうか?

「例年から比べると、確かに今年は青森市全体でも積雪量が多いです。それでも市街地での最高積雪量は150cmほど。500cmを超えるなんてことはありません。このことはきちんとご理解していただきたいと思っております」

しかし、150cm程度の積雪であっても、その影響は大きいように感じる。青森市の住民はどのように対処しているのだろうか?

「雪かきや屋根の雪下ろしは、みなさん毎日やられています。それでも連日のように雪が降り続くので、自宅敷地内にはどうしても解けずにいる雪が溜まっていきます。そうした雪は指定された雪捨て場や岸壁などに、みなさんがご自身で、あるいは業者に依頼し、捨てに行かれるようです。
また地域によっては、道路の脇に側溝を設け、そこに河川水や下水道処理水などを流して雪を河川まで運ぶ融流雪溝で、雪を処理しているところもあります。行政でも、道路の除雪作業などを、国、県、市がそれぞれの管轄のもと行っております」

なるほど、青森市は海が近いので、海に雪を捨てることも可能なのだ。流雪溝も地域によっては整備されているとのことだ。

とにかく、今回お話を伺って分かったことは、連日、積雪深の最高記録を更新していたのは、住生活者のほとんどいない八甲田山のふもとの地域であるということ。しかし、青森市民が体験している150cmもの積雪も大変なことには変わりない。早く暖かい春が訪れることを願うばかりだ。

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