国内

暴排条例対策で山口組 破門状は郵送からファクスに切り替え

全都道府県で暴力団排除条例の施行がそろい踏みしたが、暴力団はそれにどう対応していくのか。ベストセラー『暴力団』(新潮新書)の著者であるノンフィクション作家の溝口敦氏が解説する。

* * *
個別の暴力団状況を見ると、山口組、住吉会、稲川会の3広域団体とも拍子抜けするほど危機意識が薄い。山口組や住吉会は2011年10月ごろ弁護士がまとめた暴排条例マニュアルをすでに作成、一部に配布したが、内容は常識的で、秘策の類は記されていない。

山口組では破門状などの回状は今後郵送によらずファックス送信で行なう、歳暮、中元の類はいっさい自粛するなどを決めている。また暴排条例施行後、山口組直系の國粹会から新たに若頭だった佐藤光男九代目落合一家総長を直系組長に抜擢し、東京を地盤に落合金町連合を結成させた。

これにより東京には國粹会と落合金町連合、二つの山口組直系組織が誕生したわけだが、これに対する関東系暴力団の反発は11年12月、六本木ビール瓶殴打事件が起きた程度である。今後、おそらく対立・抗争という経過はたどらず、共存していく模様である。山口組系の企業事務所は以前から都内に存在したが、今後、都民は二つの山口組直系組傘下の組事務所に直面することになる。

※SAPIO2012年1月18日号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン