「International Conference on Social Media & Society 2024」で発表しました
ソーシャルメディアの国際会議「International Conference on Social Media & Society(SM&S)」の2024 Conferenceに参加し、"Media covers garbage news from the social media in times of disaster -Polluting the news ecosystem in Japan-" (Hiroyuki Fujishiro , Mone Saito)というタイトルでポスター発表しました。
研究内容は、2024年1月に起きた能登半島地震の歳にニュースサイトがソーシャルメディアからどのような話題をニュースとして取り上げ、ポータルサイトに配信しているのかを調べたものです。
調査の結果、大半の記事が災害そのものとは無関係な内容を多く取り上げており(例:コスプレイヤーが新年の挨拶で能登地震を気遣う)、芸能人やスポーツ選手の話題が災害そのもののニュースを探すことを難しくしていました。また、「ネットでは」「SNSでは」といったように情報源が明確ではない記述になっており、『フェイクニュースの生態系』で示したようにミドルメディアが不確実性の高い記事を拡散していました。
発表したポスターは、researchmapの下記URLからダウンロードできます。
ポスターセッションは、会場のLondon College of Communicationのギャラリー部分で、レセプションと合わせて行われました。アクセプトされた51枚のポスターが壁に掲示され、交流しながら議論するスタイルでした。
国や地域におけるメディア環境の違いについての話題、「Yahoo!ニュースとミドルメディアの違いはどこにあるのか(ミドルメディアはソーシャルメディアの話題を、Yahoo!ニュースは記事をまとめているので、同じキュレーションサイトではないか)」「海外にもミドルメディアはあるのか」という質問、「ミドルメディアによる話題選択がニュースの信頼を失うという部分をもっと押し出したらいいのでは」といったアドバイスもあり、大変ありがたかったです。
London College of Communicationは、学生の作品を展示するスペースが各所に設けられており、教室も工作、シアターなどの形式があり、参考になりました。
この研究は、JST-RISTEX「ニュース発信者と受信者間における「トラスト」形成プロジェクト( JPMJRS23L2)」による研究成果の一部です。
ゼミ生が「インフォメーション・ヘルスAWARD 2024」で準グランプリを受賞しました
NHK財団が実施した「インフォメーション・ヘルスAWARD 2024」で藤代ゼミの内田響さん(応募時4年、2023年度卒業)が提案した「フェイクニュースを身近に感じるワークショップ」が準グランプリを受賞しました。 偽・誤情報やフェイクニュースの拡散という問題に対し、利用者一人ひとりの健康が満たされる「情報的健康」を実現するためのアイデアを募るもので、65作品の応募の中から、グランプリ1件、準グランプリ2件が選ばれました。
内田さんのアイデアは、自身の高校時代のリテラシー教育経験から、高校生を対象にもっと身近にフェイクニュースを考えるためにどうしたらいいかを考え、ニュースメディアとしてページビューを稼ぐタイトルづくりを体験することで、フェイクニュースが拡散する構造を学ぶものです。審査員から受信者(騙される側)ではなく、発信者(騙す側)からのアプローチを評価されました。
ステラnetに表彰式の様子が紹介されています。
- インフォメーション・ヘルスAWARD2024表彰式レポート(ステラnet)
内田さんはワークショップを対象に研究を行い、社会学部の優秀卒業論文にも選ばれています。
ステラnetでは内田さんのインタビューも掲載頂いてます。
新聞博物館の企画展「新型コロナと情報とわたしたちⅡ」に協力しました
横浜市にあるニュースパーク(日本新聞博物館)で4月から開催されている企画展「新型コロナと情報とわたしたちⅡ――コロナがわたしたちに残したもの」の展示に協力しています。ソーシャルメディアの偽・誤情報にどう対応するかというコメントだけでなく、来場者に考えてもらう仕掛けも博物館の皆さんと一緒に考えています。(写真は許可を得て撮影してます)
展示はコロナに関するニュースや写真だけでなく、過去の感染症など歴史的な報道も踏まえた網羅的で見応えがあるものとなっています。
ニュースパークでは2020年7月に「新型コロナと情報とわたしたち」という緊急企画展を行っており、その際に展示した専門家のコメントと、4年後の今どう思うのかというコメントと並べられており、コロナ禍とメディアの関係を立体的な理解できる工夫が行われています。
さて、専門家のコメントはどう変化したのか…ぜひ会場でご確認ください。
展示の最後には白鴎大学特任教授下村健一さんの「私はどうすればいいか」というリテラシーを考える展示と、私の「仕組みをどうすればいいか」を考えるコーナーを設けていただき、ポストイットに考えを書けるようになっています。
企画展は9月まで開催されていますので、ぜひご覧になり、ポストイットにも考えを書いていただけると嬉しいです。
ゼミ10周年イベントを終えて…「いいものを創るためにみんなで全力を尽くす。」
法政大学社会学部メディア社会学科藤代裕之研究室(藤代ゼミ)の10周年イベント「オープンゼミ」が無事に終了しました。参加者の高校生や小学生、その保護者の皆さん、ゲストの皆さん、新聞博物館の皆さん、取材頂いた記者の皆さん、ありがとうございました。そして、ゼミ卒業生と現役生、お疲れ様でした。とても楽しく充実した2日間でした。
「オープンゼミ」は2023年8月11・12日に、横浜の日本新聞博物館で行いました。藤代ゼミは日頃から共同研究やゲスト講義などで、様々な企業や団体、クリエイターやジャーナリストの方に協力を頂いています。社会に開かれたイベントにしようと、関わりが深い新聞博物館にお願いして実施しました。
10周年ということですが、これまで徳島新聞、NTTレゾナントと勤務してきましたが、同じ職場で10年を超えたのは初めてです。大学の教育と研究は本当に面白く、難しく、そして楽しい、ものですが、イベントでは何より「ゼミ生たちが楽しそう」と多くの方に言ってもらえて嬉しかったです。
手作りのポップで参加者やゲストの皆さんをお迎え。10周年を記念したリーフレットも制作し、配布しました。
一人ひとりの個性を大切にしながら、チームとしてそれぞれが役割を果たすのが藤代ゼミ。サッカーのようなゼミ活動を記念ユニフォームで表現。背番号は卒業生から選んでいく。誰が何番なのか関係者の注目を集めていました。
高校生向けの「フェイクニュースを見抜くワークショップ」では、フェイクニュースの要因となっている「こたつ」記事のタイトルづくりを通じてフェイクニュースが生まれる構造を学んでもらいました。
セッション1「共感社会における多様性理解とインタビュー 」
登壇者: 依光隆明さん(ジャーナリスト)、市川文子さん(リ・パ ブリック)、清水淳子さん(多摩美術大学) 企画・進行:⻘柳美里(藤代ゼミ 8 期)
セッション2「SNS 時代のニュースと物語を問う」
登壇者: 石戸諭さん(ノンフィクションライター)、明知隼二さん(中国新聞)、田村真菜さん(NPOスタッフ) 企画・進行:後藤現(藤代ゼミ 7 期)
セッション3「消費時代のメディアの在り方」
登壇者: 森永真弓さん(博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所)、小川丈人さん(ナディア) 企画・進行:秋山聡美(藤代ゼミ 4 期)
新聞博物館の展示を取材する小学生向けのワークショップ。新聞記者になって「うそ」を見抜こう。
セッション4「 風の人から関係人口へ−ゼミ活動 10 年を振り返る- 」
登壇者:田中輝美さん(島根県立大学)、藤代裕之(法政大学) 企画・進行:坂井友紀(藤代ゼミ 2 期)
新聞博物館の尾高館長による企画展「多様性 メディアが変えたもの メディアを変えたもの」解説。
ワークショップの準備をするゼミ生。
イベントが終わると卒業生たちから続々と改善や課題の指摘メッセージが届きます。めんどいよ!(笑)どれも、厳しい指摘の最後にどう関わるかが書いてあります。メッセージに返信しながら、最高の結果を出すために、それぞれが役割を見つけ、自ら動き、声を掛け合い、全力で楽しむ。「いいものを創るためにみんなで全力を尽くす。」というゼミとなったことを心から感謝して、嬉しく思いました。
卒業生たちとの打ち上げでは「20周年はもっとお祭りで行こう!」と早くも企画が議論され始めていました。次の10年に向けて、藤代ゼミをどうぞよろしくお願いいたします。
【小学5/6年生対象ワークショップ】新聞記者になって「うそ」を見抜こう
法政大学社会学部メディア社会学科藤代裕之研究室(ゼミ)では、横浜の日本新聞博物館で10周年を記念した「オープンゼミ」を開催します。8月12日(土)には小学校高学年(5/6年生)向けのワークショップ、新聞記者になって「うそ」を見抜こう、を行います。夏休みの自由研究に最適の内容です。
新聞博物館を舞台にフェイクニュースを見抜くもので、楽しみながらソーシャルメディアの仕組みが理解できます。スマホやタブレットにより、日常生活で多くの情報と触れている今、自分の身を怪しい情報から守るためのヒントを学ぶことができます。
藤代ゼミはソーシャルメディア時代の「伝える」をテーマに活動しており、近年はフェイクニュースの研究を行っています。藤代教授は、2024年度から使用される小学校5年生の教科書(東京書籍「新編 新しい国語」)にフェイクニュースをテーマにした情報の伝わり方を学ぶ文章を執筆しています。
ワークショップは藤代が監修し、企画・進行はゼミ生が担当します。保護者の方も一緒に参加できます。
<日時・場所など>
- 日時:2023年8月12日(土)
- 会場:ニュースパーク(日本新聞博物館)
- 参加費:無料、保護者の方は入館料が必要です(小学生は入館料無料)。
- 持ち物:筆記用具
- 主催:法政大学社会学部 藤代裕之研究室、協力:日本新聞博物館
<申し込み>
事前の申込みが必要です。下記フォームからお申し込みください。
多数の申し込みありがとうございました。
高校生のみなさんへ「オープンゼミ」で大学生の学びに触れてみませんか?
法政大学社会学部メディア社会学科藤代裕之研究室(ゼミ)では、横浜の日本新聞博物館で10周年を記念した「オープンゼミ」を開催します。夏は各大学でオープンキャンパスが開催されますが、この「オープンゼミ」ではゼミ生や卒業生が企画・運営の中心となり、高校生のみなさんに大学で学ぶ楽しさをお届けします。
- 大学や教員ではなく「大学生」を知ることができる
- ゼミ生とゼミ卒業生が、企画・運営を担当している
- 大学生の学びをゼミ生と話して知ることができる。
藤代ゼミはソーシャルメディア時代の「伝える」をテーマに活動しています。「オープンゼミ」では、多様性(ダイバーシティ)やフェイクニュースなどをテーマに、ソーシャルメディアがもたらす課題や可能性についてジャーナリズムやクリエイティブなど「伝える」ことに関わる多彩なゲストをお招きして、メディアの未来を考えます。
<日時・場所など>
- 日時:2023年8月11日(金・祝)
- 会場:ニュースパーク(日本新聞博物館)
- 参加費:イベントは無料です。博物館の入館料(高校生200円)が必要です。
- 持ち物:筆記用具
- 主催:法政大学社会学部 藤代裕之研究室、協力:日本新聞博物館
〈 プログラム・スケジュール 〉
高校生向けプログラムは1時間のワークショップとトークセッションの前後に、ゼミ生による博物館ツアーと意見交換が組み合わされています。セッションのみの参加は原則としてできませんのでご注意下さい。博物館では企画展「多様性 メディアが変えたもの、メディアを変えたもの」を開催中です。
日時 |
プログラム内容 |
ワークショップ①(高校生向け) |
フェイクニュースを見抜くワークショップ 概要:フェイクニュースを題材にグループでの作業や議論を通して怪しい情報との付き合い方を考えます。 企画・進行:内田響(藤代ゼミ4年) |
10:00-12:00 |
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トークセッション① |
共感社会における多様性理解とインタビュー 概要:「共感」が求められるソーシャルメディア時代に、インタビューの在り方から多様性理解の本質を探ります。 |
12:30-14:30 |
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トークセッション② |
SNS時代のニュースと物語を問う 概要:企業や個人にも物語を求められる中で、ニュースがどのような物語を紡ぐことができるのかを問い直します。 登壇者: 石戸諭(ノンフィクションライター)、明知隼二(中国新聞)、田村真菜(NPOスタッフ) 企画・進行:後藤現(藤代ゼミ7期) |
13:45-15:45 |
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トークセッション③ |
加速する消費時代のメディアの在り方 概要:メディアが消費を促進するだけでなく、企業、地域、ブランドを支えるための転換が可能か考えます。 登壇者: 森永真弓(博報堂DYメディアパートナーズ)、小川丈人(ナディア) 企画・進行:秋山聡美(藤代ゼミ4期) |
15:00-17:00 |
<申し込み>
事前の申込みが必要です。下記フォームからお願いします。
多数のお申し込みありがとうございました!