「いつか、素敵なカフェをやってみたい!」。そんな夢を持っているなら、店舗併用住宅を建てるという選択もアリ。でも、一般的な住宅を建てるより大変そう……。そこで、店舗付きの住宅を建てた人にオープンするまでの経緯を聞いてみた。
■「子どもとすごす時間を増やしたい」と思ったのがきっかけ
もともとは札幌から離れた街でフランチャイズの飲食店オーナーをしていた佐竹さんが、自宅で店を始めることにしたきっかけは、家族への想いだった。
「オーナーをしていると、休日にも店のことが気になりますし、結局は年中無休状態になります。家族とすごす時間が持てないことが悩みでした」と佐竹さん。自分の考えやセンスを反映させた店づくりがしたいという気持ちが生まれていたこともあり、札幌にUターンして店舗併用住宅を建てる決意をした。
「家と店舗をひとつにしたのは、住宅ローンを返しながら店のテナント料を払うよりコストが抑えられるから。そして何よりも自宅と仕事場を隣接させることで、子どものそばにいられる時間を増やせるからです」
■手づくりの店舗スペースが完成
オープンしたドーナツとベーグルの店「kenon」は、北欧テイストのかわいらしい空間だ。
自宅と店舗が隣接することで、気をつかったのはどんな点だろう。
「音ですね。自宅の生活音が店舗に聞こえて雰囲気に影響しないよう気を配りました。鉄筋コンクリート造で遮音性能が高い建物なので、その点は問題ありません」
■店舗併用住宅のメリット
子どもとすごす時間を増やしたいと店舗併用住宅を選んだ佐竹さんだが、その想いは実現したのだろうか。
「以前に比べていっしょにいられる時間が増えました。日曜日を定休日にしたので、運動会など学校行事にも行けるようになりました」とにっこり。
ほかにも、通勤時間がかからないので早朝からの仕事でも負担がなく、時間を効率的に使えるメリットがあるとか。近所の人と交流することで、初めて住む地域ですぐになじむことができたのも店舗併用住宅ならではのよさと感じるそうだ。
店舗の移転が簡単にはできないことや、敷地をいっぱいに使って建てているため住居部分が手狭になったときの増築が難しいなど、いくつかのデメリットはあるものの、店舗併用住宅は家族との暮らしと、思い通りの店づくりの両方を叶えられる方法のひとつといえるだろう。
次回は、店舗併用住宅を建てる場合の住宅ローンや税金について解説しよう。
ベーグル&ドーナツSHOP kenon(ケノン)
住所:北海道札幌市北区新琴似5条12丁目5-17
Tel:011-763-5646
営業時間:10:00~18:00(日曜定休日)
Blog:http://ameblo.jp/kenon515/