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50歳以上の男性喫煙者が血尿になったら膀胱がんの疑いもあり

膀胱がんは50歳以上の男性喫煙者に多く発症し、多発や再発が起こりやすい。尿の中に流れ出たタバコ由来の発がん物質が、腎盂、尿管を通り、膀胱に貯蓄される過程で発症すると考えられる。

初期症状は無症候性血尿だが、重症化すると頻尿や排尿痛がある。表在性の膀胱がんは、内視鏡による切除後に抗がん剤かBCGで再発予防する。筋層浸潤がんの場合は、膀胱全摘となる。

尿は、腎臓で血液の水分や塩分、老廃物をろ過した排泄物として腎盂・尿管を通り、膀胱に一時貯蓄されて体外に排出される。尿の通り道にできる腫瘍を総称して尿路上皮がんというが、中でも多いのが膀胱がんだ。患者は50代以上の喫煙習慣のある男性が圧倒的に多い。

原因として尿中にタバコ由来の発がん物質が流れ出し、尿に混じって尿路を流れる間に発症すると考えられる。常に発がん物質にさらされているため、腫瘍が1か所だけでなく多発・再発しやすいという特徴がある。日本大学医学部附属板橋病院泌尿器科の高橋悟教授の話。

「初期症状は、痛みなどの症状を伴わない血尿です。血尿が時々みられたり、少し色が付いている程度では放置する人も多いのですが、中高年の喫煙男性の血尿は泌尿器科での検査が必須です。血尿が続き、頻尿や排尿痛を併発する場合は、腫瘍が大きくなっている可能性があります」

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2011年9月30日号

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