【8月23日 AFP】米カリフォルニア(California)州でポルノ俳優の梅毒感染例が複数見つかり、米アダルトビデオ業界団体が撮影の一時停止を呼び掛けている。

 米ポルノ制作者らが加盟する業界団体「フリースピーチ連合(Free Speech Coalition)」は声明で、出演者への感染リスク評価と全出演者の検査が終わるまで、ビデオ制作にモラトリアム(一時停止)を導入することを提唱した。声明は、俳優たちの感染状況を確認中だとした上で、梅毒に感染した俳優は抗生物質治療を受ければ10日ほどで仕事に復帰できると説明している。

 米ポルノ業界での梅毒感染をめぐっては前週、カリフォルニア州ロサンゼルス(Los Angeles)郡の保健当局が、調査を行っていることを明らかにした。前々週に少なくとも5人の感染が確認されたという。

 また、ポルノ撮影でのコンドーム使用義務化を推進しているエイズ医療財団(AIDS Healthcare FoundationAHF)は21日、梅毒感染が確認された業界関係者は9人に上り、さらに人数が増える可能性が高いとの情報を「信頼できる筋」から得たと発表した。

 ロサンゼルス郡ではポルノ俳優にコンドーム使用を義務付ける条例案の是非を問う住民投票が11月6日に行われる予定。ロサンゼルス市では1月に同様の条例案が承認され、既に施行されている。

 米国では前年、男性ポルノ俳優の1人からエイズウイルス(HIV)陽性の検査結果が出た問題を受けて、ポルノ業界全体が一時休業状態に陥った。民間の非営利団体「Film L.A.」によると、ロサンゼルス市で許可される年間約4万5500件の映画撮影のうち、約5%がアダルトビデオの撮影だという。(c)AFP