ほとんどの国民が英語を話せるフィンランド。その秘密を聞いてきた!

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YLE フィンランド放送より配信中の番組『The flying doctors』より引用

フィンランドで暮らすと、街中のほとんどの人達が苦もなく英語を話せることに驚きます。大学生はもちろん、スーパーでレジ打ちをしている中年のおじさま、おばさま、友人のご両親、道端で道を聞いただけの通りすがりの人でも……。それも、カタコトなんていうレベルではなく、自然なスピードと発音で話すことができるのです。

不思議ですよね。だって日本では、真面目に勉強している学生であっても英語を話せるとは限りませんから。私達日本人にとって、英会話での自然なスピード、自然な発音を手に入れるには相応の努力が必要です。また、フィンランド語の発音は日本語の発音にとても良く似ているので、英語に対する聞き取り辛さ、発音し辛さは日本人のそれと同じようなものだと思うのです。それなのにフィンランドでは、誰に話しかけても苦もなく上手に英語を話せて、日本ではそうではない。フィンランド人の人と英語を話す機会がある度、この違いを羨ましく感じていました。

あんまり英語を話せる人が多いので、どうしてフィンランドでは皆が皆、そんなに英語を上手に話せるのかと複数人の友人に聞いてみました。すると、どの友人もそろって「テレビで英語の番組をよくやっていて、それを小さい頃から見ているし、それらが吹き替えでない(字幕だけが母国語で付いている)からだと思う」と言うのです。

なんでも、幼い頃から兄弟や両親と一緒にテレビを見ると、自然と英語の番組も見るようになるのだとか。英語の番組では、初めは字幕を必死に追うのだけど、読んでいる途中で次の場面に変わってしまう、ということがたびたび起こる。次の場面でもまたちょっと間に合わない……。そんなことを繰り返していると、徐々に英語は英語のままで理解するようになってきたのだというのです。

初めにこの回答を聞いたとき、「そんなことで?」と思いました。しかしどの友人も真面目な顔をしてそう言います。これはもう本当に、英語の音声でテレビ番組を見ているからなのでしょう。

考えてみれば、幼い頃から英語そのものの音に触れてきているわけですから、自然と耳が英語の音を聞き分けられるようになり、発音も正確に真似ることが出来るのかも知れません。それに比べると、日本では英語を聞く機会が日常の中にほとんど無いですものね。

私自身、英語の音を聞き慣れ、聞き分けられるようになるまで、本当に多くの時間が必要でした。このことを考えると、この違いは想像以上に大きいというのも頷けます。またテレビ番組という娯楽として見ていることや親兄弟は聞き取れているということから、自分も同じように聞き取りたいと思うモチベーションも子供心に高いのだろうと思います。

先日、仕事場でのカフェタイムにちょうどこの話題が出たので、私が「日本で放送される英語の番組は吹替えばかり」という話をすると、日本だけじゃなく他国でも吹替えが主流の国は一般の人は英語を話せない国が多いのだとか。挙がった国名を聞くと、「確かに……。」と頷ける国ばかりでした。真面目な話、日本でも吹替えを止めて字幕にしてみたらどうでしょう。もしかすると10数年も経てば、多くの人がフィンランドの人達と同じように英語を話せるようになってしまうかも知れませんね。

※画像:YLE フィンランド放送より配信中の番組『The flying doctors』より引用
http://yle.fi/ohjelmat/1031823

※この記事はガジェ通ノマドライターの「Akiko」が執筆しました。あなたも一緒に執筆しませんか?

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