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連載今週の住活トピック
やまくみさん正方形
山本 久美子
2012年12月25日 (火)

同じようにマイホームを探し始めたのに買った人買わなかった人の違いは?

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Photo: Hemera / thinkstock
【今週の住活トピック】
「スーモカウンター利用者調査・新築マンション編2012年度秋版」発表

http://www.recruit-sumai.co.jp/press/2012/12/counter-mansion.html

リクルート住まいカンパニーが、スーモカウンター利用者にアンケート調査を行ったところ、新築マンションの購入者と非購入者では、意外な違いがあることが分かった。さて、その違いとは?

購入者は非購入者より物件見学数が2.6倍。その理由は?

リクルート住まいカンパニーでは、新築マンション探しをサポートする「スーモカウンター」を2011年10月~2012年9月に利用して新築マンションを見学した人に対して、「モデルルーム見学後アンケート」を実施した。その結果を購入者(676組)と非購入者(1332組)で比較分析して発表したもの。

購入者と非購入者では、エリアや年齢、ライフステージ、予算などの属性については大きな差はなかったが、新築マンションの見学数では購入者が非購入者を上回る結果となった。購入者のモデルルーム見学数は平均3.1件で、非購入者の平均1.2件に対して約2.6倍となった。

物件選びの際に興味のある項目では、購入者・非購入者ともに、「価格」「最寄駅からの距離」「通勤アクセス」がトップ3と同じで、「周辺環境」と「間取りプラン」が続くのも同じだ。ただし、両者でやや開きが見られるのが、購入者では「通勤アクセス」や「価格」が高くなり、非購入者では「周辺環境」や「生活環境」、「エリアイメージ」が高くなる。同社によると購入者は「勤務先や予算などの制約条件を重視している」のに対し、非購入者は「街並みや商業施設の充実などの感覚的条件を重視している」傾向があると見ている。

また、興味のある項目の満足度を見ると、購入者のほうが全体的に高くなる傾向があり、特に開きが大きくなるのが「周辺環境」「生活環境」「エリアイメージ」だった。こうしたことから同社では、購入者は、価格や通勤アクセスなどの制約条件で物件を絞り込むことで、見学物件数を増やしており、実際にモデルルームや周辺環境を確認することで、感覚的条件にも満足した結果、購入につながっていると考察している。

■モデルルーム見学前に興味のあった項目上位8位 (複数回答)
1位 「価格」 (購入者79%、非購入者76%)
2位 「最寄り駅からのアクセス」 (購入者60%、非購入者60%)
3位 「通勤アクセス」 (購入者50%、非購入者46%)
4位 「周辺環境」 (購入者37%、非購入者41%)
5位 「間取りプラン」 (購入者33%、非購入者35%)
6位 「住戸の広さ」 (購入者31%、非購入者29%)
7位 「生活環境」 (購入者27%、非購入者30%)
8位 「エリアイメージ」 (購入者23%、非購入者26%)

洗い出した希望条件を優先順位で整理できるかがポイント

この調査を紹介したのは、同じようにマンションを探していて、モデルルームの見学にも行きながら、購入にたどりついた人とそうでなかった人の違いが浮き彫りになった点で、興味深い調査結果だと思ったからだ。

以前、なかなかマイホームを買えないという方に話を聞いたことがある。その夫妻はモデルルームを50件以上も見学していて、マンションに関する知識も豊富だった。しかし、話を聞くうちに、買えないという理由が分かってきた。例えば、Aマンションにはディスポーザーが付いているが、Bマンションにはそれがなく、代わりに別の何かが付いている。どちらも使いやすそうで欲しくなったが、両方付いているマンションがない、といったように、見学するごとに希望条件が増えていき、すべてを満たすマンションがないというのだ。これでは、永遠に購入することはできないだろう。

長く住むマイホームであるだけに、後悔することのないよう、住まいに求める条件を洗い出しておくことは大切だ。ただし、洗い出した希望条件に優先順位を付けて、必須条件を絞り込む必要がある。その際に、暮らし方や生活パターンを具体的にイメージして、なぜその条件を優先するのかの理由を明確にしておくとよいだろう。あいまいな理由で優先度を上げると、実は住んでからそれほど優先しなくてよかったなど、物件選びの妨げになったりする場合もあるからだ。

また、実際に足を運んで、自分の目でいろいろな情報を集めることも大切だ。行ってみたら、事前の情報だけでは気づかなかった良い点が見つかることもある。また、複数の物件を比較検討することで、希望条件の再整理を行うこともできる。住まい探しで同じプロセスを踏んでいても、希望条件の整理の仕方や見学の仕方によって、納得のいく住まいに出会えるかどうかが分岐するということだろう。

https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/97a3e7d658abcc014cf75ce60ff9c1b1.jpg
連載 今週の住活トピック 住宅ジャーナリストが住まいの最新ニュースを紹介&解説する連載。毎週水曜更新の「今週の住活トピック」。
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