この夏の高校野球で話題を集めたのが、相次いだ不祥事だった。上位に勝ち進んだ学校に「根性焼きいじめ」や「強盗致傷」など部員の不祥事が次々と発覚し、「出場を辞退せよ」という批判も起きた。
極道風の風貌から“やくざ監督”の異名をとり、春夏合わせて甲子園出場10回の実績を誇る開星高校(島根)野球部元監督の野々村直通氏(現在は教育評論家)は、2年前の選抜大会で21世紀枠の高校に敗れた際、「末代までの恥」と語ったことが問題視され、監督辞任に追い込まれたことで知られる。一連の不祥事に対してどんな見解を持つのか。
――不祥事が相次いだ今大会は高校野球ファンにとって残念な大会でした。
「不祥事の内容を聞くと私も大変驚きました。でも、集団で問題を起こしていない以上、野球部全体が責任を負う処分に対して私は否定的な立場なんですよ。当該野球部は決してマナーの悪い高校ではありませんでしたし」
――監督として不祥事部員を許せますか。
「私の監督人生は、不祥事ばかりを起こすツッパリ高校とともに歩んできましたから。思い返せば、開星高校野球部の創部当時は毎日不祥事を起こしていた(笑い)。万引きやケンカをゼロに抑えるのは至難の業。むろん、諦めていたわけではありません。私の教育方針は体罰容認ですから、いうことを聞かない生徒には殴ってでも厳しく接します」
※週刊ポスト2012年9月21・28日号