まだ電子メールも、Facebookも、デスクトップアラートも、スマートフォンの着信音も存在しなかった時代を覚えていますか?

その頃、私たちは「ダウンタイム」という名の時間を持っていたはずです。「何もしない時間」です。今では何もしない時間などと言うと、非生産的なことに聞こえてしまうかもしれません。しかし、ライフハッカーでも繰り返し訴えてきた通り、適切な休憩をとることはとても大切なことです。休息は、エネルギーの充電や生産性の向上、創造性アップのために必要なものなのです。

「何もしない時間」と言っても、テレビゲームをしたり、映画を見たり、といったことではありません。それではただのストレス解消です。文字通り「何もしない時間」です。ただ景色を眺めたり、静かにお茶を飲んだりということ。ひたすら空想にふけるのかもしれませんし、時間ができたらやってみたいことについて思いを巡らせるのかもしれません。ただ静かに何もしないでいる時間です。どうですか?

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 多くの人は、日常でこうした時間をあまり持てていません。しかし、数々の研究結果が示す通り、何もしない時間は「リフレッシュ」と「リチャージ」に不可欠なのです。また、静かに考えたり、新しいアイデアを思いついたり、私たち誰もが忘れている大事なことを思い出したりするのにもつながります。いわば心にスペースを与えてくれるのです。

ポートフォリオサイト「Behance」を運営するBehance社のCEOであるScott Belsky氏は、ウェブサイト「The 99 Percent」でこう書いています。

私たちの周囲は「気を紛らわすもの」で溢れています。もし本当にダウンタイムを持ちたいと望むなら、静かに考えたり、瞑想したり、昼寝したりする時間を意識的に確保しなけばなりません。そしてそれを守り抜くのです。

Scott Belsky氏のアドバイスにもつながるヒントとして、ライフハッカーでは、静かに考えることのススメや、瞑想の効果についての研究結果効果的な昼寝の取り方などの記事をお届けしてきました。時間がない、と嘆きがちな方は「優先順位を見直すこと」で解消できるかもしれません。

あなたが最後に「何もしなかった」のはいつですか?

What Happened to Downtime? The Extinction of Deep Thinking & Sacred Space | The 99 Percent

Alan Henry(原文/訳:伊藤貴之)