国内

節電不要のはずのJR西が間引き運転せざるを得なかった理由

 中小の部品メーカーが集中する東北の被災の影響は全国各地に及んだ。それは、ある部品の不足をもたらし、西日本の電車の運転本数を間引かせた。

 JR西日本は4月2日から北陸線、紀勢線、山陰線、山陽線などの在来線で運転本数を50~70%に減らした。車両部品「直流電動機ブラシ」を製造する日立化成工業の工場が被災したためだ。この部品は摩耗するため半年から1年半ごとに交換する必要があり、JR西日本の在来線4700両の約半分の2300両が該当するという(首都圏は新型車両が多く影響が小さい)。

 ブラシの素材であるカーボンブロックを生産する茨城県日立市の工場は4月上旬から稼働を再開したが、ブラシに加工する福島県浪江町の工場は福島第一原発から10kmの場所にあり、いまだ稼働できない状況だ。現在は他社に協力を仰ぎ、最低限の供給をまかなっているという。

※週刊ポスト2011年5月27日号

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