福島県の富士通アイソテックでPC組み立て教室を開催
~一体型デスクトップPCの組み立てに26組の親子が挑戦

福島県伊達市の富士通アイソテック

7月28日 実施



 富士通と富士通アイソテックは28日、福島県伊達市のデスクトップPC生産拠点である富士通アイソテックにおいて、小中学生を対象とした「第9回富士通PC組み立て教室」を開催。「夏休みに デキル! がたくさん、FMV伊達モデルを組み立てよう!」をテーマに、小学校5年生から中学校3年生までの26組の親子が参加した。

 参加者は、福島県内から21組で、和歌山、富山、新潟、東京、群馬からも参加した。遠来賞として、和歌山県からの参加者には、福島名産のお菓子が贈られた。和歌山県からの参加者は、夜行バスを利用して参加し、初めて福島を訪れたという。内訳は、小学5年生が4人、6年生が10人、中学1年生が4人、2年生が5人、3年生が3人で、男の子が19人、女の子が7人の参加となった。

 富士通アイソテックは、2004年からPC組立教室を開催しており、小中学生の科学に対する興味や関心の育成、地元企業として地域への社会貢献を目的としている。昨年は、東日本大震災によって、富士通アイソテック自らも被災、伊達市内の一部が避難勧告地域になるなどの影響も出ていたが、社会貢献の観点から開催したという経緯がある。

 富士通アイソテックの栃本政一社長は、「今年も、ぜひ組み立て教室を開催したいという社員の声が出ていた。昨年は、震災後ということもあり、とにかく開催しようという意思が強かったが、今年の場合には、何か新しいことを加えていきたいという機運が高まっており、震災から1年4カ月を経過し、社員たちにも少しずつ余裕が生まれていることを感じている。伊達市に縁がある伊達正宗の衣装を着たり、昨年福島県で開催した全国高等学校総合文化祭のマスコットキャラクターである『ぺしゅ。』にも参加してもらった。一緒に記念撮影をしたり、組み立てを楽しむ参加者の姿をみて、社員も元気をもらっただろう。参加した子供たちからも『楽しかった』という声が出ていたことがありがたい」などとした。同社によると、これまでの9回の開催で、合計256組が参加したことになるという。

 今回組み立てたのは、液晶一体型デスクトップPC「ESPRIMO FH54/HT」相当品。21.5型ワイドフルフラットファインパネルIPS液晶を搭載。CPUには、Core i3-2350M(2.30GHz)、メモリは4GB、HDDは1TB、BDドライブを搭載している。地上デジタル放送のダブル録画にも対応している「伊達モデル」だ。

 午後1時からスタートした組立教室では、富士通アイソテックの栃本社長が挨拶。「富士通は、世界一の高速性能となったスーパーコンピュータ『京』を開発している。富士通グループの東北地区の工場もその実現に貢献した。京は、新薬の開発や津波のシミュレーションを短期間に行なうことができ、社会に貢献している。今日、組み立ててもらうPCは、昔は体育館一杯の大きさが必要だったほどの性能を持っていた大型コンピュータを、ここまでコンパクト化したものである。サポーターと協力して、これを組み立てて、夏休みのいい思い出にしてほしい」と語った。

 実際の組み立ては午後1時20分からスタート。2組に1人のサポーターが付き、参加者の組み立てを支援した。

 まずは、ドライバーの使い方などを説明した後に、組み立て作業に入り、午後1時55分には前半が終了。10分間の休憩を挟んで、午後2時5分から後半をスタート。2時40分には全員のPCの組み立てが終了した。

 組み立て終了後には、参加者全員でPC生産のラインを見学し、電動ドライバーや自動ビッキングシステムなどを体験。その後、全員でPCの電源を入れて、すべてのPCが無事起動した。

 組み立てたPCを使い、内蔵カメラによって自分を撮影するといった機能を実演。社員が扮した「伊達正宗」と一緒に写真を撮るという参加者の姿も目立った。

 最後に、富士通アイソテックのボリュームプロダクト統括部統括部長代理の鈴井勤氏が挨拶。「これからも自分が作ったPCで、さまざまなことを楽しんでほしい」と参加者に呼びかけた。

 午後4時25分にはすべてのプログラムが終了。栃本社長は、「来年は10回目の開催を迎えることになる。参加者にもっと喜んでもらえるような形で、企画を練っていきたい」と、来年の開催にも意欲をみせていた。

組立教室はスポーツプラザを使って行なわれた会場を訪れると栃本社長とともに、伊達正宗とぺしゅ。がお出迎え参加者で記念撮影
PC組み立て教室の様子富士通アイソテックの栃本政一社長富士通アイソテックのボリュームプロダクト統括部統括部長代理の鈴井勤氏

 では、組み立て教室の様子を写真で追ってみてみよう。

組み立てのベース部。すでに液晶ディスプレイは組み付けてある組み立て用に用意されたパーツ背面カバーやキーボードなど
ネジは3種類24本を使用する作業を行なう台は稼働式で作業にあわせて回転させることができる作業を支援してくれた富士通アイソテックのサポーター
まずはカメラモジュールの接続からスタートカメラモジュールをはめ込む続いてメモリの装着。2GBのメモリカードを2枚差し込む
BDドライブにSATAケーブルと電源ケーブルを差し込む本体にBDドライブを装着BDドライブをネジで固定
続いてHDDを取り出すHDDブラケットを装着HDDにブラケットを固定する
HDDにSATAケーブルを取り付けるHDDを本体に搭載するHDDとBDドライブを基板と接続して前半が終了
前半が終了した段階での本体後半の作業は4種類のケーブルを基板に接続する作業から開始BDドライブ部のシールドカバーを装着
シールドカバーをネジで固定する続けて4種類のコネクタを接続。指定された順番通りに行なうケーブル類をクリップでまとめる
本体内のシールドカバーを装着する。少し重たいシールドカバーを8本のネジで固定する背面カバーを装着する
カチッという音がするまで両手で押す背面カバーを6本のネジで固定するこれですべての部品がなくなった
最後に小さなカバーを取り付けて作業は終了サポーターが本体を起こしてくれる完成した液晶一体型デスクトップPC「ESPRIMO FH50/HN」
組み立て終了後、参加者はPC生産ラインの見学を行なった見学後、起動させたところ参加者全員のPCが動いた

(2012年 7月 30日)

[Reported by 大河原 克行]