岸朝子さんといえば、伝説の料理番組『料理の鉄人』(フジテレビ系)で、「料理記者歴40年」の肩書と、「おいしゅうございます」の名ゼリフが浮かぶ。
「みなさんそうおっしゃいますけどね、“おいしゅうございます”なんて言葉は大正生まれなら誰でもいっていたのよ(笑い)」
そんな岸さんの料理記者歴はいまや56年に更新中だ。
女子栄養学園(現・女子栄養大学)を卒業後、出版社へ。『栄養と料理』編集長を経て88才のいまも毎日たくさんの人と会う現役の食のプロ、バリバリの料理記者だ。むろん、肌ツヤもピカピカだ。その健康の秘訣を近著『このまま100歳までおいしゅうございます』(東京書籍)にまとめているが、基本となるのはもちろん食生活。
「『魚1、豆1、野菜が5』と、女子栄養学園ではみんなおまじないのようにいってたわね。この標語を頭に入れて、牛乳(瓶)1本と卵1個をプラスするぐらいのバランスを基本にして、毎日の食事を調整しています」
だが、いまも現役の料理記者である岸さんは、かなりストイックで健康第一という毎日を送っていると思いきや、お酒やたばこもたしなむというから意外だ。
「最近の酒量は1日1合ぐらい。若いころは女の酒飲みが集まって、ひとりでワイン1本ずつぐらい空けてたわね。たばこは料理記者になってから吸うようになったんだけど、平均すると1日1箱ぐらいかしら。いまも吸ってます。健康診断を受けても悪いところがないの。でも、血圧だけが少し高くなってねぇ。これは“鉄人”のせいだって、お医者様がいうのよ(笑い)。あのころは気を使うことが多かったから…」
※女性セブン2012年4月19日号