こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

bomiの気だるい気配(第4回)

連載
皿えもん
公開
2012/10/10   19:10
更新
2012/10/10   19:10
テキスト
文/bomi


アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! メインストリームからちょっぴり脇道を行く、退廃的な時代のムードを纏った歴代のキッチュな斜ガールの作品をbomiがご紹介!



bomi4_4



FIONA APPLE 『The Idler Wheel…』 Clean Slate/Epic



とにかく一筋縄じゃいかない。
彼女の活動には常に話題が付きまとう、けれども曲中で発揮されるその独自の感性には、毎度舌を巻かされる。

95年にアルバム『Tidal』でデビュー。そのミッドロウで吐き捨てるように歌う“Sleep To Dream”を初めて聴いた時の衝撃は、忘れない。

プリミティヴでパーカッシヴなリズムに乗る、意志の強そうな声。変わったコードの展開。

とにかく、何処ででも聴いたことのない、新しい感覚。格好良かった。

以来、ふとしたことがあるたびにCDを引っ張り出して聴いたり、彼女の動向を気にしていたのだが、ついこの間、7年ぶりに新しいアルバムが発表された。

その毎度毎度のマイペースなリリース・スケジュールにも感心(!?)なのだが、“Every Single Night”のPVでタコやカタツムリに吸い付かれながら歌う彼女にまた、やられた。

いままででいちばんシンプルに、フィオナ節が切なく狂おしく、伝わってくる。この人はいつだって何かと――自分と――戦っているのだな、またそう思わせてくれた。

少し前にまた事件を起こしてしまい、現在は服役中とのことだけれど、マイペースでもいいからずっと歌い続けていてほしいな、と思う人の一人です。

余談だけれども、前作『Extraordinary Machine』に入っている“Across The Universe”のカヴァーは、とっても秀逸。聴いて損はなし。



PROFILE/bomi



87年生まれ、韓国人を両親に持つ、NY出身/大阪育ちのアーティスト。2006年、大学進学を機に上京し、音楽活動を始める。2011年にbomiとして始動し、同年11月にタワーレコード限定でミニ・アルバム『Gyao! Gyappy!! Gyapping!!!』を、2012年2月に『OH MY POOKY!!!』を発表。6月にメジャー・ファースト・ミニ・アルバム『キーゼルバッファ』をリリース。そして10月24日にはファースト・フル・アルバム『メニー・ア・マール』(コロムビア)が発売決定! 11月23日(金・祝)には代官山UNITにて初のワンマン・ライヴ〈bomb bomb bomi!〉を開催するほか、各種イヴェント出演も決定している。詳しくはこちら