国内

櫻井よしこ氏 鳩山政権の辺野古移設拒否は理解不能と指摘

異形の大国・中国と日本はどう向き合っていくべきなのか。ジャーナリスト・櫻井よしこ氏はこう説明する。

* * *
米国の絶対的優位性が損なわれるなか、重要なのは日本や韓国との同盟関係です。さらに地域連合として、東シナ海沿岸諸国との連携やインドとの連携を強めるなど、米国は多国間の連帯で中国問題に対抗しようとしています。日本にとっても、国家として自由と民主主義体制を守りながら経済的にも繁栄し、幸福に生きていくためには、日米同盟が最も重要であることはいうまでもありません。

その日米同盟の基盤を大きく揺るがせたのが、民主党の鳩山政権でした。中国がアジアからの米国排除を意図して提唱した地域連合である「東アジア共同体」の構築を目指すとし、さらに日米合意を覆して、突然、普天間飛行場の「国外移設」をいい出しました。昨年5月になって「抑止力を学んだ」という呆れた理由で撤回しましたが、そのツケはあまりにも大きなものでした。

それにしても、鳩山氏らが辺野古への移設をなぜこれほど拒否するのかが理解できません。普天間飛行場を辺野古に移設し、米軍再編を進めることは、間違いなく沖縄の負担を大きく減らすことになるからです。キャンプ桑江や牧港補給地区が全面返還され、キャンプ瑞慶覧も一部返還されます。那覇港の施設も普天間移設後は、全面返還されます。さらに海兵隊員8000人とその家族9000人、計1万7000人が沖縄からいなくなります。航空機の訓練も千歳や新田原など全国6つの自衛隊基地や施設に分散されます。

沖縄と日本を取り巻く危機的状況を考えれば、移設を先送りする時間的余裕はありません。

※週刊ポスト2011年2月4日号

関連記事

トピックス

米国の大手法律事務所に勤務する小室圭氏
【突然の変節】小室圭さん、これまで拒んでいた記念撮影を「OKだよ」 日本人コミュニティーと距離を縮め始めた理由
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
職場では研究会の運営や、情報誌の編集に当たられているという(4月、東京都八王子市。時事通信フォト)
【ほぼ毎日出社】愛子さま、上司と積極的にコミュニケーションを取って奮闘中 女性皇族議論が進まない状況でますます仕事に没頭か
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
中森明菜復活までの軌跡を辿る
【復活までの2392日】中森明菜の初代音楽ディレクターが語る『少女A』誕生秘話「彼女の歌で背筋に電流が走るのを感じた」
週刊ポスト
世紀の婚約発表会見は東京プリンスホテルで行われた
山口百恵さんが結婚時に意見を求めた“思い出の神社”が売りに出されていた、コロナ禍で参拝客激減 アン・ルイスの紹介でキャンディーズも解散前に相談
女性セブン
真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者(51)。ストーカー規制法違反容疑の前科もあるという
《新宿タワマン刺殺事件》「助けて!」18階まで届いた女性の叫び声「カネ返せ、カネの問題だろ」無慈悲に刺し続けたストーカー男は愛車1500万円以上を売却していた
NEWSポストセブン
初となる「頂上鼎談」がついに実現!(右から江夏豊、田淵幸一、掛布雅之)
【江夏豊×田淵幸一×掛布雅之の初鼎談】ライバルたちが見た長嶋茂雄秘話「俺のミットを“カンニング”するんだよ」「バッターボックスから出てるんだよ」
週刊ポスト