熱中症をもっと知って予防と対策を!

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「7月の神戸、熱中症搬送が最多」2012年08月11日『朝日新聞デジタル』
http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000001208110002

相変わらず暑い日が続いていますね。北海道・関西・四国・九州エリアでは、計画停電に備えて日頃から節電を心がけている方もおられるのではないでしょうか。
しかし熱中症にも注意しなければなりません。皆さんは、どんな熱中症対策を講じられていますか? 筆者宅には以前より温度・湿度表示してくれる時計があるので、27℃・60%以上にならないように冷房・除湿を調節していたのですが、それでも暑くてヤバイときがあるんですねぇ。
一体どれくらいの設定だとエアコンかけ過ぎでもなく、危険な暑さでもないのか? その基準が欲しいと思い、『携帯型熱中症風邪チェッカー』なるものを買ってみました。

熱中症チェッカーで危険度を知る

『熱中症風邪チェッカー』とは温度計と湿度計の機能があり、その数値から熱中症指数やインフルエンザの生存率と照らして、危険度を4段階のランプでお知らせしてくれる、という物です。
実際に以前からある温湿度計とこのチェッカーと自分の体感を対照してみると、“蒸し暑くて苦しい→危険(赤ランプ)”、“不快→厳重警戒(橙)”、“楽→警戒(黄)”と、体感とお知らせが一致していて、感心しました。
このほかにも通販サイト等で“熱中症指数”といったワードを検索するといろんなタイプの機器があるのがわかります。

『カスタム WebShop 計測器ランド』
http://www.keisokuki-land.co.jp/custom/index.php?main_page=product_info&cPath=631&products_id=11935

実際にチェッカーで計測したところ、気温が低くても湿度が高ければ危険度は高く、気温が高くても湿度が低ければ危険度が低くなる傾向にありました。実際、カラリとした日は爽快で快適だということは、皆さんも経験済みだと思います。どうも、気温の高さだけが根本原因ではないようです。

熱中症の仕組みを知る

熱中症をもっと知って予防と対策を!

環境省が作成、公表している『熱中症環境保健マニュアル』によると、

熱中症は…
・高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内 の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称です
・死に至る可能性のある病態です。
・予防法を知っていれば防ぐことができます。
・応急処置を知っていれば救命できます。
『熱中症環境保健マニュアル』(環境省)
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/1-1.pdf

と、解説されています。人間は恒温動物であり、暑い時には“皮下に血液を集めて、外気に放熱する”、“汗を蒸発させて、放熱する”などの調整を行って、36℃~37℃の体温を保っています。しかし、血流の変化や水分・塩分などが失われることに身体が適切に対処できないと、体内活動のバランスが崩れ障害が発生してしまうのです。

暑い日が多ければ当然熱中症に対する注意が必要ですが、冷夏であっても急に気温が上昇すると、気温の変化に身体の放熱機能が順応するのに日数を要するため、やはり危険性は高まります。むしろ暑さに順応していないために、さほど高温でなくても熱中症が発生する危険があるとか。まだ気温が上昇し始めていない時期でさえも、熱中症の発症する可能性はあるようです。
上記の『熱中症環境保健マニュアル』では4月の事例も紹介されています。

気温が低めでも“運動などで自ら熱を生産する”、“体外へ放熱できていない”など、“体内に蓄熱してしまう”条件がそろっていると発症してしまう可能性があるのです。
つまり熱中症とは、“体内に蓄熱してしまうことによって起きる障害”なのですね。

効果的な放熱のしかたを知る

体内に蓄熱してしまうと熱中症になる危険度が高まります。でも前述したとおり、気温が高くても湿度が低ければ危険度は低くなるのは何故でしょう。それは外気が乾燥していれば、かいた汗がすぐに乾いて放熱できるからです。

『熱中症環境保健マニュアル』(環境省)で示されている予防法と応急処置法も、そういった人体の仕組みに沿ったものです。
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html

予防としては、積極的に“汗をかく準備”をするように示されています。

・汗の原料である水分・塩分を補給する。脱水状態や食事抜きで暑い環境に行くことは絶対に避ける!
・汗をかきやすい体づくり。汗をかかない季節からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につける。

そしてもし熱中症が疑われる場合は、早急に体を冷やすことが示されています。
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/2-3.pdf
・打ち水のように、皮膚に水をかけてうちわや扇風機などで扇ぐ。
・氷嚢などがあれば、首・脇の下・大腿の付け根を冷やす。皮膚直下を大きな血管が通っているので、そこを通る血液の熱を奪うことによって、体内を冷却する方法です。

夏の定番メニューのカレーやアジア料理を食べると、汗が吹き出して気持ちいいですよね。水分・塩分の補給は、スポーツドリンク等でも“塩分補給”をうたった商品があります。ウォーキングは今の時期から始めてはかえって危険な気がするので、普段あまり運動しない方にはお勧めしませんが、筆者自身は「今日は蓄熱しちゃったな」と感じたら、一日で一番気温の低い夜明け前に早足で一駅程度歩くことにしています。
体内を冷やす方法については、吸水ポリマーや保冷剤で首を冷やせる商品がドラッグストア等に並んでいます。実際、着用して過ごすと“蓄熱感”が減り、かなり楽でした。

どうでしょう? そんな話を聞いてると、なんだかこの夏を熱中症にならずさわやかに過ごせそうな気になってきませんか?
特に、幼児やお年寄りは熱中症になりやすいそうなので、おじいちゃんおばあちゃんとお孫さんたちが顔を合わせる夏休みのこの機会、熱中症について一緒に学んでみるのもいいかもしれません。家族みんなで“うだる夏”を“爽快な夏”に変えて、健康的に乗り切りましょう!

※この記事はガジェ通ウェブライターの「池波千聖」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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