ライフ

熱中症とペットボトル症候群は初期症状が似ているので要注意

清涼飲料水ケトーシスは、軽い糖尿病で肥満傾向の男性が、糖分の多い清涼飲料水を大量摂取することで発症する急性の糖尿病だ。倦怠感やおう吐、意識障害、重症の場合は腎不全などを合併し昏睡に至る。初期症状が熱中症に似ており、適切な治療がなされず重症になることもあるので注意が必要だ。点滴とインスリン投与で血糖を下げることによりインスリン分泌が再開し、回復する。

酷暑の夏は熱中症対策として水分補給が不可欠だが、炭酸飲料やジュースなどの清涼飲料水には6~10%の糖を含んでいるものが多い。これらを仮に1日2リットル飲めば、120~200gの糖分を摂取することになる。

普段自覚症状のない軽い2型糖尿病で、40歳以下の肥満気味の、おもに男性が、糖分の多い清涼飲料水を大量に摂取することで発症するのが清涼飲料水ケトーシスだ。これはペットボトル症候群ともいわれる急性の糖尿病症状で、10年ほど前に日本で報告された。全身倦怠感や頭痛、おう吐や意識障害などの症状が現われ、重症になると腎不全や昏睡に至ることがある。聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科の田中逸教授に話を聞いた。

「糖尿病とその予備群は、合わせて2000万人以上といわれますが、実際はもっと多いと考えられます。以前行なった分析ですが、糖尿病が疑われてブドウ糖負荷試験を受けた患者の中で、朝食前の空腹時血糖が正常の1000人を検討したところ、約40%がすでに軽い糖尿病、あるいは予備群になっていたという結果を得ました」(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2011年9月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン