髪も染めてまるで別人の夏帆。ルックスに目が奪われるが、入念な役作りを経ての熱演にも注目したい/[c]2012フジテレビジョン ジェイ・ドリーム 東宝 WOWOW FNS27社

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2004年、人気若手女優への登竜門とも言うべき11代目リハウスガールに選ばれ、その後も「ケータイ刑事」シリーズや『天然コケッコー』(07)など、数々の作品に出演を続ける夏帆。ジュニアモデル出身だが、『天然コケッコー』では、日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の賞を受賞し、近年、女優としてめきめきと成長を見せている。純真無垢なイメージで、清純派女優という言葉が似合う夏帆だが、出演最新作の『任侠ヘルパー』(11月17日公開)ではそれを全く覆すような役にチャレンジしている。

【写真を見る】「ここまで(髪を)明るくしたのは初めて」とのこと。清純派のイメージから一気に脱却!

本作で夏帆が演じる役は、草なぎ剛扮する主人公・彦一にほれるキャバクラ嬢の仙道茜。茶髪でギャルメイク、馬鹿っぽい発言を連発するが、亡くなった両親に代わり、4人の妹弟を支えているという健気な女の子だ。地元のヤクザ・極鵬会が仕切る店で働き、キャバクラ嬢や温泉コンパニオンの仕事として長襦袢一枚で踊ったり、胸元の開いたドレスで彦一に寄り添ったりする姿など、大胆な格好も披露しているのだが、その女優としてのなりきりぶりに驚かされてしまう。

特に、酔った勢いで彦一を自宅に誘い、家に入るや否や、壁や机に体をぶつけながらの激しいキスを繰り広げ、大胆に絡み合うラブシーンには、彼女にこんな色気があったのかとはっとさせられるほどだ。さらに、ヤンキー気質な一面もあり、茜に思いを寄せる彦一の兄弟分を殴ったり、言いたいことをズバズバ言ったりする姿は、もはや別人。先日の舞台挨拶で、草なぎが「スクリーンの中の夏帆は別人に見える」と言ったのも納得するほどの新境地となっている。

これまでは比較的あどけない少女の印象が強かったが、20歳を超え、大人の女性の魅力が増した夏帆。10月21日からスタートしたWOWOWドラマ「ヒトリシズカ」では主演を務め、12月からは自身初となる舞台「祈りと怪物ウィルヴィルの三姉妹」にも出演する。映画では『箱入り息子の恋』(2013年夏公開)、『劇場版タイムスクープハンター』(2013年夏公開)と公開待機作もそろっている。『任侠ヘルパー』で可愛いだけじゃない、一癖あるような役もこなせる大人の女優として脱皮し、演技の幅を広げた彼女から目が離せない。【トライワークス】