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インタビュー

ペトロールズ 『Problems』



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[ interview ]

3人というミニマムな編成ながら変幻自在かつボーダレスな音楽世界を描き出し、熱狂的な人気を誇るペトロールズというバンドをご存知だろうか? ライヴは常にソールドアウト。会場のみで限定リリースされた音源はプレミア作品となるなど、その人気は加熱する一方だ。

メンバーは、今年2月の解散まで東京事変のメンバーとしても活動を続けてきた長岡亮介(ヴォーカル/ギター)、かつてLOOP JUNKTIONの一員として活躍し、近年では吉井和哉バンドの屋台骨も担う三浦淳悟(ベース)、そしてタイトなプレイでペトロールズのグルーヴを牽引する河村俊秀(ドラムス)という3人。ソウルフルなフィーリングを醸し出す歌声とコーラス、一瞬一瞬で異なる表情を見せる万華鏡のようなグルーヴ、一聴しただけで耳の奥にこびりついてしまう中毒性のあるメロディー――彼らの魅力は多面的だ。今回初の全国流通盤となるミニ・アルバム『Problems』を発表した〈ちょっと普通じゃないバンド〉、ペトロールズの過去と現在について話を訊いてみよう。



他にないものをやりたくて



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(左から)河村俊秀、三浦淳悟、長岡亮介



――長岡さんと河村さんは高校の同級生なんですよね? 当時からいっしょにバンドをやっていたとか。

河村「そうですね。でも、文化祭だけで演奏するカヴァー・バンドっていう感じですけど。演ってたのはニルヴァーナとか……アレもやったね、“め組の人”」

長岡「ラッツ&スターね(笑)。ま、ガッツリいっしょにやってたわけじゃないです」

――長岡さんと三浦さんは椎名純平さんのバンドでいっしょになったときに初めて出会った?

三浦「僕がその前にやっていた違うバンド(LOOP JUNKTION)の頃に知り合ったから、2000年ぐらい?」

長岡「もうちょい後かな、2001、2年頃だと思う」

――ペトロールズは2005年に結成されたわけですが、どういう経緯で結成に至ったんですか。

長岡「ロックじゃないものをやろうとしてたんですよ。他にないものをやりたくて」

三浦「その頃はよく〈普通のロック・トリオみたいなものはやりたくない〉って言ってましたね」

長岡「僕はそれ以前からブラック・ミュージックも好きだったので、それをトリオでやったら新しいものができるんじゃないかって。ジャンボ(三浦)はヒップホップのバンドをやってたから、そういう演奏も理解してたし」

――結成当初からいまみたいな音楽スタイルだった?

長岡「どうだろう……最初はもっとロックっぽかったと思いますね。自分がまだロックの枠にハマってたと思うし」

――結成の段階で参照していたアーティストやバンドはいたんですか。

長岡「(即答で)いないですね」

三浦「具体的な目標にすると、それに寄りすぎちゃうと思うんですよ」

長岡「だから、いまも〈誰々みたいにやろう〉とは絶対に言わないんです。そういうの、好きじゃない」

――曲やアレンジの組み立て方は結成当初と変わらない?

長岡「変わらないですね」

河村「大まかなものを(長岡が)持ってきて、それをスタジオで合わせて、ライヴで完成させていく」

長岡「完成というより、ライヴを重ねるごとにどんどん変わっていっちゃうんです。でも、ずっとやってるとアレンジが落ち着くことがあるんですね。そこが完成なんだと思う」

――曲が出来た段階で完成のイメージがあるわけじゃなくて、最初はそれが曖昧で、やっていくごとに具体的になっていくわけですね。

長岡「そうそう。ただ、細かい部分が固まってないだけで、芯はあるんですよ」

三浦「でも、一回落ち着いたはずのものが、しばらく経ってから変わることもあるんです。だから〈落ち着いた〉と言っても怪しいもんで(笑)。レコーディングにしても作りながらどんどん構成が変わっていくんですよ。〈そういうギターが入るんだったらベースはこうしようかな〉みたいに」

長岡「ライヴが〈発表会〉になっちゃったらおもしろくないから。そこは3人共いっしょだと思う」


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掲載: 2012年11月07日 16:30

更新: 2012年11月07日 16:30

インタヴュー・文/大石 始