孤高の俳優・高倉健、異例のTV生出演!新作映画にかける熱い想い

2012.08.23


舞台あいさつではビートたけし(右)のギャグにも苦笑いで応じた高倉健【拡大】

 孤高・寡黙が最も似合う俳優、高倉健(81)が主演映画『あなたへ』(降旗康男監督)の公開を前にマスコミ露出を増やしている。かつては「取材嫌い」「撮影現場以外では会わない」などの噂が独り歩きをして周囲が気を使っていたが、老境に入って何か変化があったのか。

 映画は、散骨を望んで亡くなった妻の願いを叶えようと旅に出る主人公を高倉が演じている。

 21日には都内の舞台挨拶に立ち、「監督がどういうメッセージを込めているか、最近、分かってきました。情けない俳優です」と控えめに語った。共演のビートたけしが、「冬の現場でもストーブにあたらない」「イスに座らない」など“健さん伝説”を広めたことには、「全部、たけちゃんの作り話。迷惑です」と、会場を笑わせる一幕もあった。

 また、SMAPの草なぎ剛とも共演していることから18日深夜のテレビ朝日系「SmaStation!!」にゲストとして異例の生出演。

 香取慎吾から「コンビニに行くことはありますか?」と聞かれた高倉は「ほとんどない。この間、プロデューサーと一緒に“しまむら”というところに入った。ここで買ったジャージーがいい。今でも着ている」などと、素顔を見せた。

 ドラマで健さんを意識したヤクザ役を演じたことがある草なぎには「役が合わない」と手厳しかったが、すべてはリップサービス。

 これほど宣伝に協力的なワケをベテランの映画ジャーナリストが明かす。

 「最後の銀幕スターである健さんは、いまどき珍しく映画会社ごとにキャラクターを演じ分けている。今回は、東宝の新社長肝いりの作品で、健さんの盟友の降旗監督がメガホンを取った。23日開幕のモントリオール映画祭での受賞も期待される。東映の『鉄道員(ぽっぽや)』と同様に、東宝の代表作にしたいという意気込みなんですよ」

 取材嫌いについては、古参の製作スタッフがこう否定した。

 「短い時間に、各社ごとにペラペラとしゃべるのがイヤなだけ。“健さん番”の記者を置き、じっくり付き合う親しいメディアには、今回も2時間近いインタビューに応じている。角が取れたのか以前はタブーとされた“老い”に触れた質問にも受け付けるようになっている」

 とはいえ、現場での独自の美学は健在。酒を飲まない健さんは、決まった種類のコーヒーをケータリングで用意させ、合間には黙ってグビリ。共演者ともほとんど雑談をせず、撮影に没頭していたという。

 

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