日本社会と出来レースは切り離せないが、出来レース疑惑がつきものとなっているのが芸能界である。たとえば有名音楽大賞や「ベスト○○」といった栄冠を授かるのは、影響力の強い芸能事務所のタレントばかり。
最近では、ある人気アイドルが、ある賞の授賞式で「前からこの賞が欲しかったので、マネージャーにお願いしていたんです~」とうっかり口走ってしまった。賞の主催者と事務所関係者は、さぞ肝を冷やしたことだろう。
しかしこの一件、ネットなどでは話題になったものの、さほど大きく問題にされなかった。「まァ、そんなもんだろ」という世間のあきらめがあったからなのかもしれない。
某芸能事務所の関係者がいう。
「『ベスト○○』といった類の賞は、大手事務所にとってはタレントのイメージ向上になるし、主催者側にとっても有名タレントを受賞させたほうがワイドショーなどでの露出も増えてPRになる。両者にとってウィンウィンの関係なんです。だから“出来レースだろ”といわれても、構わずやり続けているという構図ですね。そのため旬を過ぎたタレントが何年も連続で受賞して“殿堂入り”し、その次の受賞者も同じ事務所といった不自然なことがまかり通るんです」
※週刊ポスト2013年11月29日号