夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、スポーツ用品メーカー勤務のご主人(47歳)。奥様(46歳)の夕食メニューに不満のようです。
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うなぎの値段が高騰していますが、やっぱり食べたい! 女房に「この秋に1回だけでいいから食卓にうなぎを出してくれ」と頼むと、「何いってんのよ、アナタ。うなぎと梅干しは食べ合わせが悪いから、お腹壊すわよ!」って、ちょっと待て! 確かに、ごはんと共に梅干しを食べている。でも、うなぎを食べる時は、メニューから梅干しを外せば済むことだろ?
「また何いってんのよ。梅干しは体にいいのよ。夕食には必ず食べなきゃダメ」
「梅干しじゃ元気が出ないんだよ。うなぎを食べてスタミナをつければ、『今夜は頑張るか!』という気分になると思うんだ」
「またまた何いってんのよ。江戸時代の飛脚さんなんて、梅干し入りのおにぎりだけ食べて、1日何十キロも走ったのよ。梅干しはスタミナ食なの。アナタ、昔は私を見て『食べちゃいたいぐらい愛してる』っていったのよ。梅干しを食べて、たまには私も食べてみなさいよ。その気のないアナタなんだから、何を食べたって一緒。うなぎなんてお金のムダ!」
そうだよなぁ、昔は「食べちゃいたいほどかわいい!」などといいましたよ。あれから20年! きみまろさんのフレーズじゃないけど、ああ、あの頃、本当に食べちゃえばよかった!
※週刊ポスト2012年10月12日号