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 2010年10月、嵐の二宮和也(水野祐之進 役)と柴咲コウ(8代将軍・徳川吉宗 役)の主演で劇場公開し、誰も見たことがない男女逆転の世界が話題となって大ヒットした映画『大奥』。同作からはや2年が過ぎ、この度“連続ドラマ+映画”という壮大な続篇プロジェクトとして『大奥』が再び帰ってきた。

 今年10月からは、僧侶から還俗し大奥入りした有功(堺雅人)と3代将軍・家光(多部未華子)の恋を描き、男女逆転大奥誕生の謎に迫る連続ドラマ「大奥〜誕生[有功・家光篇]」が毎週22時からTBS系で放送中(11月16日は22時30分から/放送時間変更の可能性あり)。そして12月22日(土)からは、ドラマから約30年後を舞台に、ドラマに続き堺雅人が一人二役で演じる、野心を抱き大奥総取締へのぼりつめる右衛門佐(えもんのすけ)と、5代将軍・綱吉(菅野美穂)の愛を描く、映画『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』が全国公開となる。

 本日16日に放送となるドラマの中盤戦、第6話では映画にもつながる大きなターニングポイントとなる衝撃のシーンが含まれていることが、プロデューサーの磯山晶氏から語られた。

磯山晶プロデューサー コメント

種馬レースに惨敗した男の生きる道
〜男女逆転大奥における「いい男」=生殖能力の高い男?〜

 『大奥』シリーズは「夜伽(よとぎ)」と「世継ぎ(よつぎ)」の物語です。深く愛し合い、運命の相手と信じあう二人でも、世継ぎが生まれなければ「交代」させられてしまうのです。平和な世の中を守るために、好きでもない男と寝なければならない、愛する女を他の男に渡さなければならない…という切ないラブストーリーは、40代女性を中心に熱い支持を受けています。TBSオンデマンドでも売上1位、TBSホームページのアクセス数でもドラマ部門ダントツ1位です。

 一生、外には出られない「大奥」という牢獄の中で出逢い、ようやく二人で生きる道を見つけた有功と家光の運命は、この後、さらに激しく揺れ動くことになります。特に全10話の連続ドラマのなかで、もっとも鍵となる第6話には、物語のターニングポイントや衝撃のシーンがあります。その第6話の内容をここでちょっとだけネタばれしちゃいます…。

 夜伽を辞退させられ、上様と新しい側室・捨蔵(窪田正孝)との間に生まれた姫を可愛がる有功。男としての敗北感は半端ないものでしょう。しかし、「種馬レース」に勝利した捨蔵には厳しい運命が待ち構えていました。不慮の事故により、男として用をなさない体になってしまうのです。役に立たないとなると、すぐにまた退けられ、飼い殺しにされてしまうのが大奥という恐ろしい男の園。

 ある晩、いきなり、家光が部屋に現れ、有功の胸に飛び込んできます。新しい側室を用意するまでの間、春日(麻生祐未)が二人に与えた残酷な「許可」でした。有功は春日に二人の運命を握られたままだということを気付きながらも、愛しい女が再び自分の腕の中にいる、という幸せを拒むことは出来ません。ここで我慢したら男じゃないし…。二人の愛は再燃してしまいます。しかしやはり世継ぎは生まれません。そして次なる「種馬」の用意が出来たと知らされ、二人の蜜月はあっけなく終わりを告げるのです。自分では上様に世継ぎを産ませることが出来ないことに絶望した有功は、思わぬ手段に打って出ます。物語の最大の山場、衝撃のシーンです。この正気を失ったとも言える有功の決断が、後に日本史の流れをも変えるものになるのです!

 ここまでが第6話、そしてこの後、最終回までのストーリー展開は、さらにさらに盛り上がっていきます。なぜ春日局はここまで「平和な世」にこだわり続けるのか?という謎も明らかになります。巷で話題の「春日局役の麻生祐未さんの怪演」も当然、凄みを増します。麻生さんは病に倒れる春日を演じるために、かなりの減量にも挑戦し、春日の最期の姿は本当に鬼気迫るものになりました。可哀そうな捨蔵の末路も涙なしでは見れない名シーンとなっています。また、ドラマで新たに加えたエピソードとして、この10年、将軍の影武者として生きてきた稲葉正勝(平山浩行)の家族の物語も、嫡男・正則が立派に元服し、将軍(実は自分の父)に拝謁する場面でピークを迎えます。

 かつて「女性は子ども産む機械」と発言して辞職した大臣がいましたが、男女逆転の『大奥』においては「男性は子どもを産ませる種馬」にしかすぎません。その資格のない主人公・有功が生きる道は、辛く険しいものです。愛する家光のため、徳川家のため、日本のため、「良かれ」と思ってする決断が、果たしてこの後どのように影響していくのか、映画にもつながる大きなターニングポイントなので、是非、「大奥〜誕生」第6話をお見逃しなく!

ドラマ「大奥〜誕生[有功・家光篇]」第5話までのあらすじ
 時は三代将軍・徳川家光の治世、若い男子のみがかかる疫病が流行し、日本の男子の人口は女子の4分の1になっていた。家光は既に、同じ病で死去しており、徳川家の血が絶えることを恐れた大奥総取締・春日局は、家光が外で作った娘を「上様」として、ひそかに江戸城内で育てていた。 上様が年頃になったのを機に、「種馬」となるべき男子を武家から呼び寄せていたが、今まで引き合わせた男はことごとく上様の気に入らなかった。困った春日は、継目御礼にやってきた美しい僧侶・有功に目をつけ、監禁、脅迫、還俗させ、大奥入りさせる。春日の読み通り、上様は有功を気にいり、有功もまた彼女の哀しい過去を知り、彼女のために生きることを誓う。 しかし、1年経っても二人の間に世継ぎが生まれない。春日は、町で拾った色男の捨蔵を有功の代わりの側室として上様にあてがう。「夜伽を辞退しろ」それが「戦のない平和な世のためだ」と言い切る春日に返す言葉のない有功。 そして上様は捨蔵の子どもを産む…。

映画『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』ストーリー
 時は元禄、五代将軍綱吉の時代。徳川の治世は最盛期を迎ええいたが、大奥では後継者を巡って正室と側室の激しい派閥争いが起こっていた。そこに、今日から一人の公家がやってくる。その男・右衛門佐はたぐいまれなる野心と才覚で巧みに綱吉に取り入り、総取締として大奥での権勢を掌中に収めていく。一方、一人娘の松姫を亡くした綱吉は、世継ぎ作りに専念させられることに。しかし、一向に懐妊せず、孤独と不安に苛まれていく。妄執にとらわれた父・桂昌院に従い“生類憐みの令”を発令するも、国は乱れていくばかり…。そんな綱吉に手を差し伸べたのが、人知れず彼女を見守り続けた右衛門佐だった。ふたりが最後に辿り着くのは…?

映画『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』2012年12月22日(土)男女逆転再び! - 公式サイト