最近、街のラブホテルの改装が目立っている。
「風営法改正の施行が来年1月に迫っており、このままだと営業できなくなる。ウチはいわゆる“類似ラブホテル”だからね」（都内のラブホテル経営者）
ラブホテルと一般ホテルの違いなど利用者にはよく分からないところだが、通常、ラブホテルは警察庁所管の風営法、一般のホテルは厚労省所管の旅館業法で定められている。前者には営業禁止区域があり、各自治体による規制がかかる。「類似ラブホテル」とは、一般ホテルとして営業許可を受け、実態はラブホテルとして営業するホテル。登録上は一般のホテルだから、禁止区域は関係ない。
「繁華街や駅前など立地条件が良い場所はたいてい禁止区域だから、一般ホテルの認可を得て建設した方が利用率が高くなる。全国約3万軒といわれるラブホテルのうち、半数以上が“類似”だとされています」（全国紙記者）
類似が多い理由は、現行法ではラブホテルと一般ホテルの境界が曖昧だから。一定面積以上の食堂やロビーがあれば旅館業法上の「旅館」なので、「建築時には食堂やロビーを配した計画書を提出して、営業開始後に改築する者も多い。旅館であれば、警察ではなく保健所のチェックが入るくらいで、摘発される可能性は低い」（前出の経営者）のが実態なのだ。そのため、学校の目と鼻の先にラブホテルが建つケースも多い。
※週刊ポスト2010年12月10日号
