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尖閣諸島「カネに困って売るのではない」地権者の実弟が反論

 尖閣諸島の売却問題が重大局面を迎えた。尖閣諸島は、明治期に沖縄の実業家・古賀辰四郎が政府から無償貸与され、開拓・所有してきた。その後、1972年から1978年にかけて、古賀家と親交のあった栗原國起氏に譲渡された。
 
 國起氏はさいたま市内の大地主で、結婚式場や貸しビルなど幅広く事業を手掛けてきた。栗原弘行氏(65)は、兄・國起氏に代わって、尖閣の購入から40年にわたり“窓口”となってきた人物である。尖閣の所有者が民間人であること、そして大金が絡むとあり、栗原家には世間から好奇の目が向けられた。
 
 弘行氏がいう。
 
「一部報道では40億円の借金があるなどと書かれましたが、40億円は借金ではなく、根抵当権の極度額であるだけ。正確な額は控えますが、それほどの融資を受けてはいない。カネに困って売るのではありません」
 
 こうした報道に反論し、「尖閣の歴史と、それに絡む人々の思いを知ってもらいたい」との意味を込めて、弘行氏は13日に『尖閣諸島売ります』(廣済堂出版刊)という著書を上梓。尖閣諸島を守り続けた闘いの経緯を綴っている。

※週刊ポスト2012年9月21・28日号

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