「早起きは三文の得」というくらいで、昔から朝型人間の方が生産性が高いというのは定説です。

最近の研究でも、年齢に関係なく、朝型人間の方が幸福度が高いということがわかりました。この研究では、被験者を17~38歳と59~79歳の2つのグループに分け、精神状態や健康面、一日で好きな時間帯などの質問に答えてもらいました。

 研究者のRenee Bissさんは、全体的に見て朝型人間の方が明らかに良いことがあると言っています。

朝型人間は、どちらの年齢グループでも幸福度が大きかったのです。また朝型人間の方が、夜型人間よりも健康だと感じていました。若者グループでは朝型人間は7%しかいませんでしたが、60代ではほとんどの人が朝型人間でした。仕事が定年を迎えるような65歳以上のシニア年齢になると、夜明けとともに目が覚めて、自然と朝型人間になるのです。自分が夜型人間だからといって案ずることはありません。

では、なぜ朝型人間は自分を幸福や健康だと感じるのでしょうか? おそらく、自然と夜更かししてしまう習慣がないことと関係があるように思われます。

気づいている人も多いと思いますが、世の中はかなりの面で朝型人間を中心に回っています。早起きして定刻に就業することは、太陽とともに目が覚めるような人にとって、もしくは少なくとも目覚まし時計で起きられるような人にとっては、何でもないことです。Bissさんも「夜型人間は、自分が起きたいと思うよりも早く起きなければならないので、幸せだと感じないのかもしれない」と言っています。

また、夜型人間は、自分の体がまだ起きていたいという時間にも社会的に寝なければならなくなっているので、良質な睡眠が十分に取れていないのかもしれません。このように、体内時計と世の中の時計が合わない状態を「社会的時差ボケ」と言います。昔の研究でも、十分な睡眠が取れていないと、健康や免疫システムに深刻な影響を及ぼすことが分かっています。時差ボケ状態で、常に体が疲れているように感じていたら、とても自分が幸せだとは言えないでしょう。

好きな時間に寝起きができる人は、その点でストレスを感じにくいため、幸せを感じることができるかもしれません。全員が画一的に目覚める必要は、そもそもないのです。人間が「社会的に」時間を捉えるようになった影響ともいえます。

そうは言っても、どうにか夜型から朝方に切り替えなければいけない人もいます。そもそも体内時計は狂いやすいものです。毎日の取り組みで、体内時計と社会的な時計を近づけていきましょう。それでも朝型人間になるのが難しい場合、少しでも良質な睡眠が取れるように心がけてみてください。

Morning People Are Actually Happier Than Night Owls | LiveScience

Cassie Murdoch(原文/訳:的野裕子、補:ライフハッカー[日本版]編集部)