国内

“次期政権”自民党の日本経済再生プランに森永卓郎氏高評価

 自民公の3党合意で、近いうちに行われることになっている解散総選挙。世論調査を見る限りでは、自民党政権が誕生する可能性が高い。では、もしもそうなったとしたら、自民党は現在の危機的状況にある日本経済をどう立て直すのだろうか。経済評論家・森永卓郎氏が『メルマガNEWSポストセブンVol.36』にて、自民党の経済対策を分析する。

 * * *
 今年8月31日に自民党政務調査会と経済・財政・金融政策調査会が連名で公表した「日本経済再生プラン ~『産業投資立国』と『価値の創造拠点』を目指して~」は、消費税増税時の景気失速への危機感を認識し、その対応策を明示している。

 第一は、財政出動だ。「予算の配分を、『短期のバラマキ』から、技術開発や人材育成など、日本の競争力につながる『将来への投資』に大胆に転換します。具体的には、国土強靭化計画の効果的な実施などにより、国内の有効需要や雇用の創出を図ります」と日本経済再生プランには書かれている。もちろんこれは、自民党が一貫して強調している10年間で200兆円(民間投資を含む)の国土強靭化投資のことだ。投資の半分が公共投資だとしても、年間10兆円の投資となる。いまの公共投資が5兆円程度だから、公共投資を10年間、3倍にするという計画だ。公共投資拡大に関する賛否は分かれるが、実施されれば強力な景気拡大効果を持つことは間違いない。

 もう一つは、金融緩和だ。日本経済再生プランの記述は以下のとおりだ。「デフレ・円高から脱却するため、従来の常識を超えた大胆な金融緩和措置を実行します。政府・日銀のさらなる連携強化を図り、金融緩和の実効性を高めるため、政府・日銀の物価目標(2%程度)協定の締結、日銀による外債購入など、日銀法の改正を視野に、大胆な金融緩和措置を講じます」。この一文だけで自民党の意図は十分伝わってくる。日銀法を改正して、物価目標を政府が定める形のインフレターゲットを導入するのだ。2%という目標は、政府と日銀の共同目標という形式を採るが、事実上政府が決める。そして日銀は、その目標を達成するまで無制限の金融緩和を行う。いま日銀がやっているような10兆円単位の小出しの資金供給ではなく、100兆円単位の資金供給が行われることになるだろう。これこそが「従来の常識を超えた大胆な金融緩和措置」なのだ。

※メルマガNEWSポストセブンVol.36

関連キーワード

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
ゆずりあい、ぶつからないように配慮するつもりがまったくない「どかないおじさん」がいる(イメージ、時事通信フォト)
新社会人が戸惑う「どかない系おじさん」 大柄な男性には場所をゆずり、女性が接触すると怒鳴り散らす
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン