非日常の世界へ……部屋の中で安物の寝袋を使うメリットは?

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キャンプの必需品、寝袋。夏の行楽シーズンに使うことはあっても、よほどのアウトドア好きでなければ、この季節は押入れの中にしまいっぱなしになっていることが多いのではないだろうか。

暮らしは発見に満ちている……?

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しかし、よく考えてみてほしい。寝袋はとても機能的だ。家の中でだって、もしかしたら便利に使えるかもしれない。そこで筆者は、実際に家の中で寝袋を使ってみることによって、そこにどんなメリットがあるのか調べることにした。

今回実験に使用した寝袋は、6~7年前に都内のドン・キホーテ(以下、ドンキ)で購入した安物。価格は3,000円程度。それほど質の良いものでないことはわかっているが、野外フェスのキャンプ場などではそれなりに重宝した。現在は完全に押入れの肥やしとなっていたので、これを引っ張り出してきて、実際に使ってみることに。筆者が感じたメリットは次のようなものだ。

非日常感がある

まず部屋に敷いてみただけで、“普段と全然違う感じ”が出る。これから家の中でキャンプが始まる……そう思っただけで、何だかワクワクしてくる。しかも、筆者がいつも寝ている部屋は畳敷き。畳と寝袋のコントラストなど、非日常以外の何物でもない。

敷くのが楽である

布団というのは、とにかく敷くのが面倒なものだ。いつ万年床になってもおかしくない(三日床くらいになることはしばしばある)。その点、寝袋は合理的だ。そもそも掛布団、敷布団の概念が存在しない。使いたいときに取り出して、中身をピラッと広げるだけ。使わないときは適当にまるめて押入れに突っ込んでおく。布団よりも省スペースだ。

どこでも寝られる

片付けが楽であるという点にも通じるが、軽くて簡単に持ち運びができるというのも寝袋の利点だ。つまりその気になれば、家の中のあらゆるところで寝られる、ということ。廊下でも、台所でも、玄関でも、その日の気分で室内ジプシー生活を楽しめるのだ。

しかし、実際に寝てみたところ、次のような問題点も浮き彫りになった。

問題点1) 寒い

安物の寝袋は“薄い”。筆者は寒さで目を覚ますたびに、服を着込んで乗り切った。寝袋一つでどれだけ温かくなれるか、それが重要だ。

問題点2) 痛い

安物の寝袋は“薄い”。床の固さが、直に伝わってくるので、しまいには体のあちこちが痛くなってくる。体を動かせるスペースが狭いというのも、慣れないと結構つらいかもしれない。

メリットは前述の通りだが、そこからさらに快適さを求めていくようであれば、マットレスを使ったり、寝袋自体のグレードを上げたりと、それなりに工夫が必要になってくる。マットレスも寝袋も価格はピンキリだが、マットレスであれば2,000円程度からクッション性のありそうなラインアップに手が届くので、導入を検討してもいいだろう。

寝袋ライフは万人に勧められるものではないが、体験としての面白味はある。興味のある方はぜひお試しを。

(根岸達朗+ノオト)

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