都内、特に有楽町や銀座エリアを歩いていると、よく見かける地方自治体のアンテナショップ。その主な目的は地方自治体の特産品を紹介すること。特産品を提供する飲食店を併設しているショップも多く、産地直送の美食が楽しめる。
今回はそんなアンテナショップの中から、東京メトロ・銀座一丁目駅から徒歩1分の茨城県アンテナショップ『茨城マルシェ』へ行ってみた。2013年に発表された「47都道府県魅力度ランキング」で最下位だったという事実を知り、“茨城素人”な筆者が茨城の魅力を見つける目的で訪れた。
入口のドアにいきなり「なめんなよ いばらき県」と魅力度最下位ネタが貼られているところに、とある県民性マンガでも語られていた「正義感が強く、自己主張も激しい」という県民性が見える気がする。「いばら“ぎ”」と間違われやすい県名も、ひらがなで書いて主張しているのがすてきだ。
アンテナショップらしく観光パンフレットのブースもあったが、お客さんのお目当ては売上ランキング殿堂入りの「干しいも」のようだ。目当ては納豆に違いないと思っていたので、意外な結果に驚かされた。もちろん納豆の充実度は高く、大型ラックが約40種類の納豆で埋め尽くされていた。近くには、納豆を混ぜるためだけに生み出された「納豆鉢(しかも笠間焼)」も発見。納豆に対する、県民のただならぬ愛を感じる瞬間だ。
店内のBGMは、「水戸のご当地アイドル(仮)」が歌う『NEBAPPE☆MITOPPO』。お店の方に曲について質問してみたところ、かなり当惑されていて反省……。店内で何回か聴いていると、方言も覚えられそうだ。
ちなみに茨城は農産物も豊富。新鮮な野菜や果物が安価で売られていて心ひかれる。しかし試食用に配られていたのはなんと、栃木県原産のとちおとめ!?
お店の方も「とちおとめでーす」と普通に試食を勧めてくれた。美味しい。美味しいが、自己主張が激しいはずの県民性はどこにいってしまったのか……。しかし、ショップを出るころには、納豆だけでない魅力をたくさん知ることができて、妙な達成感を感じることができた。
銀座では、『茨城マルシェ』から徒歩30秒以内で高知県と沖縄県のアンテナショップもめぐることができる。普段馴染みのない県の魅力を見つけたら、ぜひ現地にも行ってみよう!