もう過労死を出した会社は廃業にしろよ、マジで。

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もう過労死を出した会社は廃業にしろよ、マジで。

今回は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

もう過労死を出した会社は廃業にしろよ、マジで。

ネットを巡回していたら、またもや悲惨なニュースに出会ってしまった。以下に内容を引用する。

女性SE、過酷勤務で死亡…勤務先に賠償命令
 情報処理システム会社の福岡事業所に勤務していた福岡市のシステムエンジニアの女性(当時31歳)が急死したのは過酷な労働が原因として、両親が同社合併後にできた「アドバンストラフィックシステムズ」(本社・東京)に対し、慰謝料など計約8200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、福岡地裁であった。
 府内覚裁判官は「死亡と会社の業務との間には因果関係がある」として、同社に計約6800万円の支払いを命じた。
 判決によると、女性はシステム移行などを担当。2007年2月の時間外労働が約127時間に上った。3月に仕事上のミスなどが原因で自殺未遂をした。約1か月間休養を取った後に復職したが、深夜残業など過酷な勤務が続き、5日後、東京出張中に致死性不整脈で死亡した。福岡中央労基署は09年に労災認定した。
 同社側は「亡くなる直前に約1か月の連続休暇を取得しており、死亡と業務に因果関係はない」などと主張した。しかし、府内裁判官は「特に自殺未遂前の時間外労働時間は長く、脳・心疾患の発症をもたらす過重なもので、会社は休暇を取らせるなど具体的な措置をとっていなかった」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121012-OYT1T00665.htm

一度自殺未遂にまで追い込まれて、さらに復職後も何の配慮もなく深夜残業が続いたというのはおそろしい。
復職直後の人を、復帰するや否や即座に深夜残業に追い込む職場というのは、一体どんな職場なんだろうか。この状態で、会社が「死亡と業務に因果関係はない」と平然と主張していたのには驚きだ。

和菓子製造会社社員の過労死ついての記事*1 を投稿したのがほんの10日前で、まだほとんど時間がたっていないのに再び過労死のニュースである。
労働に関しては、本当に日本は酷い国だと思う。

*1: 奴隷労働を強要して人を殺しても、書類送検で済んでしまう今の日本 『脱社畜ブログ』 2012年10月2日 
http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/10/02/004949

日本の「過労死」は、英語の辞書にも”Karoshi”として載っているくらい、世界でも悪名高い。
なぜ日本では、諸外国に比べてこんなにも過労死に追い込まれてしまう人が多いのだろうか。
日本人の仕事観や倫理観に理由を求めることはできる。
日本には「仕事は絶対的に尊い」という価値観が根強く存在し、会社と従業員の関係は契約というよりも奉仕や奉公に近い。このような社会的空気の中では、「責任」という見えない重圧に押しつぶされ、「逃げる」という選択肢も見えなくなるくらい追い詰められてしまう人が出てくるのもある意味当然だといえる。

ただ、過労死が一向になくならないのは、政府や立法府の怠慢によるところも大きいと僕は思う。
そもそも、過労死というのは会社が従業員を奴隷労働に従事させた上で死においやっているのだから、会社による殺人と言ってもほとんど差し支えないはずである。本来なら、大きなペナルティが課せられるべきものだと思うが、どうも今の日本ではそうはなっていない。

自然人が殺人を犯せば普通は懲役刑が課せられ、数年は刑務所から出てくることはできない。しかし、会社が従業員を過労死に追い込んでも、せいぜい賠償金を払うくらいで、それ以上の刑事罰が課されることはほとんどない。ワタミの例を見れば分かるが、過労死認定がなされても、企業は涼しい顔で営業を継続している。これは、殺人者が野放しにされているのとほとんど変わりがないと僕は思う。

殺人企業には、しかるべきペナルティを課すのがどう考えても公平である。少なくとも営業停止、ケースによっては廃業というくらいの厳罰をもって臨んではどうだろうか。
過労死の認定基準自体はここ数年でだいぶ緩和傾向にあるようだが、これだけでは企業に過労死を出さないようにするための積極的措置を取らせる力としては弱い。「過労死を起こしたら、会社は傾く」というくらいのペナルティを課せば、今まで労働問題をスルーしてきた経営者も、少しは考えを変えるのではないだろうか。

社員を過労死に追い込んでおきながら、平然と何事もなかったかのように営業を続ける企業は無くなったって構わない。あとでいくら賠償金をもらったって、失われた命は戻ってこないのだ。

執筆: この記事は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。

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