「子供が病気になったときは母親が面倒を見るものだ」。誰も口には出さないけれど、まだまだそんな風潮がある。でも、自分がそばについていたからといって子供の病気が回復するわけでもない。そんな悩みを持つ働くママに救いの手を差し伸べる「病児保育士」とは!?
月刊漫画雑誌『Cheese!』(小学館刊)では、昨年10月から病児保育を題材に、働くママの厳しい現状を描いた漫画『37.5℃の涙』を掲載。本作は、新米病児保育士・桃子が、子供や親と真正面から向き合いながら成長していく様子を描く(ただし、病児保育士という国家資格は現在のところ存在しない)。
読者からは「共感できます。育児と仕事を両立させる難しさ、心の葛藤。久しぶりに漫画を読んで泣きました」「働きながら子育てをしている母親の気持ちと、仕事として子育てにかかわる保育士、立場は違えど子供を大切に思う気持ちが伝わってきます」といった声が寄せられている。
著者の椎名チカさんはこう語る。
「私にも3才になる女の子がいますが、0才児の時は“子供ってこんなに風邪をひくの?”と驚きましたね。うちは親が近くに住んでいるので、なんとか乗り切っていますが、もし誰も助けてくれない状況だったら、多分仕事を続けるのは難しいでしょうね」
子供の病気をキッカケに、それぞれの家庭の事情が浮かび上がってくると椎名さんは言う。
「子供が病気になったとき、夫にお迎えをお願いをしたら“なんでオレが行かなきゃいけないの?”という本音がポロッと出たり、理解のあるお姑さんと思っていたのに“病気の子供を預けるなんて”と急に口を出してきたり。そんな話もよく耳にします」
漫画家は締め切り前になると、原稿にかかりきりになるのが常。そんな時、椎名さんは葛藤を抱えるという。
「子供が風邪ばかりひいている時は、こんな苦しそうなのに仕事をしていていいのかなと思いました。そんなふうに悩んでいるお母さんたちも多いと思うので、この作品が子育てをしやすい世の中にすべきという議論のキッカケになればいいなと思います」
※女性セブン2014年4月24日号