書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
岡崎京子論
少女マンガ・都市・メディア
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年10月
- 書店発売日
- 2012年10月26日
- 登録日
- 2012年10月23日
- 最終更新日
- 2012年10月23日
書評掲載情報
2012-12-23 |
日本経済新聞
評者: 倉持佳代子(京都国際マンガミュージアム研究員) |
MORE | |
LESS |
紹介
◆少女マンガに関する本格的批評書◆
少女マンガは現在では、日本の表象文化において重要な位置を占めています。本書はそのなかでも特異な位置を占め、『ヘルタースケルター』の映画化などで今なお注目を集める岡崎京子を取り上げ、彼女が何をめざし、どのような問題提起をしてきたのかを明らかにします。とりわけ一九八〇年代から九〇年代にかけての岡崎の作品群(『pink』『リバーズ・エッジ』から『ヘルター・スケルター』まで)が、高度消費社会によって生み出され、その社会に反応していく少女・女性像をどのように提示したのかを、郊外・団地、コンビニ、美容整形、性・身体などをキイワードに、背景となる時代状況の再検討とマンガ・テキストの丁寧な分析から照らし出します。著者は筑波大学研究員。
目次
岡崎京子論─目次
序 章
一 少女と少女マンガ
二 少女と消費社会
三 〈少女マンガ〉の拡散と多様化
四 岡崎京子
五 本書の構成
第一章 〈少女マンガ〉をめぐる言説空間
一 〈少女マンガ〉言説の歴史化の試み
二 〈少女マンガ〉言説の黎明期─石子順造の少女(マンガ)論
三 「ぼくら」と〈少女マンガ〉─「〈わたし〉語り」世代の〈少女マンガ〉論
四 「わたしたち」の〈少女マンガ〉─「少女」共同体の前景化
五 〈少女マンガ〉をめぐる言説空間の〈ねじれ〉と問題
第二章 郊外化された〈少女マンガ〉
─『ジオラマボーイ・パノラマガール』論
一 ニューウェイブとの出会い
二 「郊外」という舞台設定
三 内閉化する郊外家庭空間
四 ボーイ・ミーツ・ガール≠ボーイ・ラブズ・ガール
五 演技空間としての「郊外」
六 「少女」という心性の肯定
第三章 消費社会と女性─『pink』論
一 都市空間のなかの女性
二 〈消費〉の内面化
三 「かわいい」帝国/消去される外部
四 「脱出」の頓挫
五 〈消費〉への礼賛/批判
第四章 「少女」の「繭」としての東京─『東京ガールズブラボー』論
一 八〇年代は「スカ」だったのか?
二 「東京」≒「トーキョー」
三 反復する物語構造
四 「スキゾキッズ」の「逃走」と「内閉」
五 「部屋」という「少女」の「繭」
六 「少女」と八〇年代
第五章 「文学性」の脱構築─『リバーズ・エッジ』論
一 「文学」的マンガとしての『リバーズ・エッジ』
二 マンガにおける「文学性」─〈少女マンガ〉と〈内面〉性
三 言葉にみる〈内面〉の位相
四 「顔」にみる〈内面〉の位相
五 「噂」として流離する〈内面〉
六 「つながりの社会性」のなかの〈内面〉
第六章 〈内面〉と代弁/表象のポリティクス─「チワワちゃん」論
一 代弁/表象される〈内面〉
二 「公」と「私」の対比
三 代弁の頓挫
四 代弁のモンタージュ化
五 ゆらぐ解釈
六 問題化される若年女性─女子高生・ブルセラ・〈内面〉の欠如
第七章 〈美〉の共同体を越えて─『ヘルタースケルター』論
一 消費社会における〈美〉
二 〈美〉の神話的イメージ
三 美容整形と身体の断片化
四 〈少女マンガ〉と〈美〉
五 感情移入の抑止
六 「タイガー・リリィ」≒「ミニ・タイガー・リリィ」
七 メキシコへの越境
八 〈少女マンガ〉への両義性
終 章
一 各章のまとめ
二 「少女」表象の両義性
三 喪失されたものとしての「少女」
四 グローバリズムのなかの少女・女性
五 おわりに
註
あとがき
初出一覧
主要参考文献
索引
装幀─難波園子
上記内容は本書刊行時のものです。