米ジンガ、日本などの開発拠点を閉鎖へ
【シリコンバレー=奥平和行】交流サイト(SNS)を通じて遊ぶソーシャルゲームの最大手、米ジンガは23日、日本などの開発拠点を閉鎖すると発表した。世界で150人程度の社員を減らす見通し。同社はスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)への対応の遅れなどから業績が低迷しており、拠点の統廃合や人員削減を通じてコストを圧縮する。
同日にマーク・ピンカス最高経営責任者(CEO)が社員に書簡を送り、リストラ策について説明した。同日に米マサチューセッツ州の拠点を閉鎖したほか、米テキサス州の拠点でも人員を減らす。国外では日本と英国の拠点を閉鎖する方針。ジンガの社員は現在約3000人だが、このうち5%程度が削減対象になる。
ジンガは2010年にゲーム開発のウノウを買収し、ジンガジャパン(東京・渋谷)を設立した。日本では約50人の社員を抱えてスマホ向けゲームの開発を手掛けているが、この拠点を閉鎖する。全社員を解雇する方向だ。同拠点の閉鎖により日本における業務を全面的に終えるが、ゲームの利用は可能という。
ジンガはソーシャルゲームの最大手で、2011年には鳴り物入りで株式を上場した。ただ、パソコンに比べて画面が小さく課金が難しいスマホが急速に普及しているほか、パソコン向けゲームでも無料でゲームを楽しむ利用者が多く収益拡大に苦戦していた。新作ゲームの開発の遅れやM&A(合併・買収)による費用拡大も収益を圧迫していた。
株価は上場直後から公開価格の10ドルを下回って推移し、現在は2ドル台前半まで落ち込んでいる。幹部級を含む社員も相次いで流出しており、最近は経営の厳しさが目立っていた。24日には7~9月期決算の発表を予定しており、この場でピンカスCEOらが再建策について説明する見通しだ。