こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

(第5回)この連載はどんなヤツが書いているのか?

連載
長谷川陽平のソウルで勝手に生きてます。
公開
2012/10/05   18:30
更新
2012/10/05   18:30
テキスト
文/長谷川陽平


hasegawa5_4



チャン・ギハと顔たちでギタリスト/プロデューサーを務める日本人メンバー・長谷川陽平が、ソウルは弘大(ホンデ)に集まるミュージシャンの生態に迫る連載! 第5回は、ついに(!)彼が携わっているあのバンドを紹介します



このコラムも第5回になるんですねぇ。連載を始めると〈1か月なんてアッという間だ〉と感じるワケです。12回繰り返したら1年ですもんね。1年だってアッという間ですよ。

……で、まあ今回はちょっと手前味噌になるのですが、最近関わっているバンドの紹介を少々。このままだと〈弘大グルメ・コラム〉になってしまうので(笑)。何しろ〈タワレコのbounce〉でありますから、やはり音楽でいきましょう!!



hasegawa5_1



まずは、私がメンバーとして在籍している〈チャン・ギハと顔たち〉です。日本語にすると何だかコミカルな名前ですが、英語だと〈FACES〉ですから!! カッコいいでしょう(笑)!? まあ、ロックの大先輩方にも同じ名前のバンドはありますが……われわれ〈顔たち〉は影響をほとんど受けておりませんね(個人的には大好きですけど……) 。

ファースト・シングルの〈安物のコーヒー〉がウケて、ファースト・アルバム〈何事もなく暮らす〉が大ヒットし、一躍インディー畑からメジャー畑へとポンと飛び出しました。Leessang(リサン)とのコラボ曲〈俺たち今すぐ会おう〉も話題になって、追い風のなかでセカンド・アルバム〈チャン・ギハと顔たち〉を作りはじめました。私はこの作品からプロデューサー兼ギタリストとして参加しまして……編曲からずっと付きっきりでした。ギハはアイデアを本当によく吸収し、自分のなかで消化する力が凄くて、いろいろ投げ掛けるとそれを思わぬ形で投げ返してくるような……そんな感じで楽しくアルバム作りをしましたよ。その結果、随所にユーモアや奇妙な感覚を散りばめられ、無理なくポップに、無理なく実験的に仕上げられました。



hasegawa5_2
〈韓国大衆音楽賞〉で祝杯!の図



いくらなんでも……これ以上はダメかな……と自制した部分も多々ありましたが、その甲斐もあって(!?)、昨年の〈韓国大衆音楽賞〉にて〈今年のアルバム〉をはじめ、計4部門で賞をいただきました(※1)もちろんこれからはサード・アルバムに向けての編曲作業に入りますが……近いうちに8月の〈サマソニ〉以来となる日本でのライヴがあるかもしれない……とだけお伝えしておきましょう。ちなみに最新作となるセカンド・アルバムは日本盤も出ておりますので、よろしければ聴いてみてください!!
*注※1 〈韓国大衆音楽賞〉で4部門を受賞したのはチャン・ギハと顔たちが初とのこと



hasegawa5_3



そしてもうひとつ、私がプロデュースを担当してファースト・アルバム『Ready To Go!』を作り上げたバンド、Look & Listenを紹介いたします。女2男1のトリオ編成で、音はパンクやパワー・ポップ、ガレージ・ロックが思い浮かぶ感じでしょうか。韓国のバンドは、楽器を別々に録り、録音後にはいろいろとコンピューターで編集したり、いじくったりしてキレイにまとめることが多いのですが、この作品では地下室に簡単な機材を持ち込んでの一発録音、さらにオーヴァーダビングは最小限で済ませました。つまり韓国のスタイルからいうと真逆な感じなのですが、〈これが私のやり方だ!!〉とメンバーを説得しつつ、最後まで仕上げました。それを日本に持ち帰り、私と中村宗一郎氏でミックス&マスタリング作業を行い、出来上がった音を聴いたメンバーが、〈あぁ、長谷川さんが言っていたのはこういうことだったんですね!!〉と、わかってもらえた時は嬉しかったなあ(笑)。やはり半信半疑だったんでしょうね、完全にやり方が違いますから。






Look & Listenは弘大で活発に活動しており、最近は私と彼らとでシリーズ・ギグ〈World Punk Hit!!〉を始めました。ギグごとに世界のパンク・バンドの好きな曲をカヴァーし、それをレコーディングして限定数20~30本のカセットテープを作って、来場した人にタダで配るという……韓国初(!?)のインディー王道的DIY精神に溢れた企画を続けていく予定です。なお、Look & Listenのアルバムも近いうちに日本盤が出るというウワサもチラホラありますよ!!

このコラムをどんなヤツが書いているのか――この2枚を聴いていただけると何となくわかってもらえるのでは!?と思っております。ぜひぜひ!!



PROFILE/長谷川陽平



韓国のバンド、チャン・ギハと顔たちのギタリスト兼プロデューサー。95年に韓国へ移住し、トゥゴウン・カムジャやサヌリム、ファン・シネ・バンドなどで活動。現在は他にもミミ・シスターズや美男美女の〈美男〉ギタリストを務めたり、若手パンク・バンドのLook & Listenのプロデュースなども手掛けている。いつもここでつぶやいてます→twitter.com/#!/lghopper_yohei