「住まいをカスタマイズしたい! でもDIYには自信がない…」という初心者から、「本格的にDIYしたいから、いい道具が欲しい」という上級者にまで頼りになるショップ「DIY FACTORY OSAKA」が大阪・なんばに誕生した。4月のオープン以来多くの人が訪れているというので、その人気の理由を探ってきた。
「DIY FACTORY OSAKA」は大阪・南海なんば駅から徒歩約10分、南海電鉄の高架下に誕生した新スタイルのDIYショップ。DIY工具を販売している店はホームセンターなど他にもあるが、「DIY FACTORY OSAKA」の一番の特徴はさまざまなメーカーの工具を実際に使って、試して購入できるという点だ。
「私たちは『つくる楽しさを、未来につなげたい。』というビジョンを掲げていて、DIYの楽しさを実体験できる空間をつくりたかったので、試用できる商品展示とワークスペースを併設した店舗にしました。ファッションは試着して自分に合うモノを選びますよね、同じことをDIY工具でも実践してほしいのです」と語ってくれたのはフロアマネージャーの白濱匠太郎さん。
運営会社・大都はもともと総合金物工具商社だったが、10年程前からネット通販サイト「DIY-tool.com」を立ち上げて小売業をスタート。しかしPCやスマホの画面だけでは工具・道具の良さや使い心地は伝えきれない、という思いからリアル店舗の展開に至ったそうだ。
反響は予想以上に大きいようで、来店者は男女ほぼ半々、ほとんどがDIY初心者、なかでも30代の女性が一番多いというから面白い。商品はすべてオンラインショップでも購入できるので、「デートの途中で来店、試用したうえで決定、スマホでオーダーし、受け取りは自宅で」という強者(つわもの)DIY女子もいるそうだ。
「DIY FACTORY OSAKA」のもうひとつの特徴はワークスペースを併設している点。都市部の集合住宅などではカスタマイズをしたくても、作業を行うためのスペースがないという問題がある。その点、高架下は作業スペースを確保できて大きな音を出しても問題が生じない、都心部では貴重な場所。その特徴を活かしたのがワークスペースで、レンタル料を払えば作業工房としても利用でき、プロ仕様の各種工具もそろっているそうだ(会員登録が必要、木材などの材料は持ち込み)。
また、ワークスペースでは溶接、木工、陶芸、壁紙貼り、壁塗りなどのワークショップも毎週のように開催されている。取材した日にも「木工入門! 紀州杉でスツール作り」が開催されており、参加していたのはママ友同士という女性の二人連れで、どちらもDIY初心者だった。
「初めてのDIY体験です。子どもの机や椅子をつくってあげたいという夢があって、友達を誘って来ました。都合が悪くて来られなかった友達も他にもいるんですよ。電動の工具は結構大きな音がしてビックリ。引き出しがついた机づくりが目標ですが、まだまだ難しそうです(笑)」と参加された女性。
白濱さんは「もっと自分らしい暮らしを手に入れたい、だから自分でつくってみようと考える人が増えていますね」と教えてくれたが、確かに先日取材した大阪府箕面市・粟生団地のカスタマイズ賃貸のケースもDIY初心者の方だった(https://suumo.jp/journal/2014/07/18/66298/)。「DIY FACTORY OSAKA」の来店者やワークショップの参加者の様子をみていると、DIYの裾野はもっともっと広がっていきそうだと実感した。