ミルクから作る、金色の甘ーいお酒のレシピ

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  • author 福田ミホ
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ミルクから作る、金色の甘ーいお酒のレシピ

このヨーグルトみたいなものから、透明な、でもクリーミーなお酒ができるんです。

子供の頃、僕の家には大きなビンがあって、いつも手の届かないところに置かれていました。それはヨーグルトのようにも見えましたが、もうちょっと気持ち悪い感じの、トロトロした液体にゴロゴロしたものが入っている、黄色っぽい何かでした。そして何年も経って大人になってから、それはすごく美味しいミルクのお酒になるものだってことがわかったんです。冒頭の画像は作っている途中のもので、完成すると透明なお酒になります。

どんな風に作るんでしょうか?

今回、いつもこのお酒を作っていた僕の母からレシピを教えてもらったので、ご紹介します。母はもうこれを何年も作ってなかったんですが、最近料理研究家のデービッド・レイテさんによるポルトガル料理集『The New Portuguese Table』でもこのお酒の作り方を見つけたそうです。このミルクのお酒について、それまで母はリトアニアのものだと思っていたんですが、ポルトガルでも作られていたみたいです。

そんな風に各地で作られてきたためか、レシピにはいろいろなバリエーションがありますが、まずは僕の家での作り方をご紹介します。

材料:

牛乳 2カップ(約480cc)

ウォッカ 2カップ(約480cc) ※グラッパでも可

砂糖 2カップ(約288g)

オレンジ 2個(皮付きのまま乱切り)

レモン 1個(皮付きのまま乱切り)

1. 密閉できる大きな食品保存用のビン(作る量に合わせて選択)に材料すべてを入れてざっとかきまぜる。なんか美味しくなさそうに見えますが、結果を信じましょう。

2. ビンのふたを密閉して、冷暗所に10日間置いておく。1日1回かきまぜるか、ビンをゆすってまぜる。牛乳を冷蔵しないで10日間も...って不安になりますが、大丈夫です。10日経つと下のような感じになります。

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3. 10日経ったら、水切りざるにチーズクロス(訳注:日本にはあまりありませんが、ガーゼやペーパータオルを2~3枚重ねて代用可のようです)を敷いたものを大きなボウルの上にのせ、そこにビンの中身を入れてこす。

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果物や牛乳成分が固まったものがクロスでこし取られて、ボウルには黄味がかったミルキーな液体が出てくる。この状態で先のステップに行かずに飲んでしまう人もいるくらい、クリーミーで美味しい。ただしアルコール感も強く、かなり重い飲み物になる。

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4. 大きなこし器にコーヒーのフィルター(画像のように、大きいコーヒーメーカーなどで使うカップ状のものが良い)を敷く。(僕らは最初一般的な三角のフィルターをビンの上にセットしてそこに液体を流し込もうとしたんですが、丈夫さが足りないし、ミルクの固体部分も通り抜けてきてしまいました。このプロセスでは液体をきれいな透明にする必要があるので、ぜひ大きいフィルターで。)

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そんなわけで、大きいコーヒーフィルターを敷いたこし器を大きなビンかボウルの上に置いて、そこに液体を流し込んでこす。フィルターにはミルクの固体成分が詰まってくるので、何回か取り替える。こしてできた液体が透明でない場合、以下のような透明になるまで2~3回こす

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そして完成!

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こうして上の画像のように金色に輝く美酒ができます。これは冷蔵しなくても半年までは持ちます。クリーミーでシトラス風味もあってデザートのようですが、でもしっかりお酒です。

バリエーションに関して言うと、個人的には砂糖を減らします。砂糖2カップでは甘すぎると感じました。バニラを入れる人もいます。オレンジとレモンがミルクの繊細な風味を邪魔していると感じる人は、オレンジもレモンも入れずに作ります。それでもこのお酒は透明な黄色になり、シトラス感だけがない、とても繊細でクリーミーなお酒になります。それから、オレンジとレモンの量を半分にする人もいます。デービッド・レイテさんのレシピでは、オレンジを入れずにレモンと削ったセミスウィートチョコレート(カカオ70パーセントのもの)2オンス(約57g)を入れていました。これもやってみたいです。

では、お好きなアレンジでお楽しみください!

Brent Rose(原文/miho)