■日本語に興味を持つと云フ事 | たかみゆきひさオフィシャルブログ「shadowcube」Powered by Ameba

■日本語に興味を持つと云フ事

先日、スタイルキューブ研修生の伊藤美来(いとうみく)と豊田萌絵(とよたもえ)と日本語に関する会話をした。


事の発端は美来が「萌絵ちゃんはデザインとか特技があるけど自分には無い」と言ったことから始まるが、「じゃ、例えば好きなものとかは?」という問いに対して美来が

「古典が好きです。」

と答えたこと。
百人一首などにも興味があるとのこと

素晴らしい!


ということで、古典を紐解くことでわかる日本語、そして日本の文化の素晴らしさ、そしてそこから生まれる日本独自のマンガやアニメ文化の話にまで発展した。



声優という仕事は日本語を操って食べていく職業だ。


僕は時々「なぜ声優は日本語で食っていく仕事なのに日本語が出来ない人が多いのか」と思うことがある。
これは自分のとこのタレントも含めてそうなので、なんとかしたいところだが、みんなあんまり日本語というものに興味がないのだろうか?

育ってきた環境に起因することが大きいとは思うし、大人になってからいきなり勉強できない人も多いとは思う。
しかし、それにしても日本語が不自由なままでよいものなのか?
「こんなに日本語ができない自分」に危機感はないのだろうか。

僕は学生の頃ライターという仕事を始めた。
当時「日本語を書いてメシを食う」という意識から言葉遣いや、その言葉を書くことで読み手がどういうことを考えるかなどをかなり勉強したもんです。
言葉というものは生きていて時代と共に変わっていくものだから、この追求に終わりは無い。
なので俗語もそうだが、文部省(現文部科学省)の国語審議会で時代に合わせた日本語の使い方について毎年どんなことが発表されているかなど、常に興味を持って調べたものである。

ここ最近は自分もそこまではできていないそんなに偉そうなことは言えないが、日本語一本で食っていくはずの声優が僕よりも日本語が出来ないのを見るとなんとも言えない気持ちになる。


もっと日本語に興味をもって欲しいと常日頃から思っていたので、今回、伊藤美来の言葉を受けての日本語談義に花が開いたワケである。


ひらがなの発明やなぜ欧米と違って日本語は結論を最後にもっていくのか等、日本語は日本という文化があって独自に発展していった言語であり、その特殊性と本質など色々と話をした。

言葉で書くと一見難しそうだが、これらはなぜ日本という小さな島国が世界一の先進国になれたのか、マンガ、アニメ、アイドルという文化が生まれたのかにも結びつくことなので、研修生達はとても興味深く聞いていた。

豊田萌絵はデザインを勉強しているので、日本の美術が西洋美術にもたらした影響の話に興味を持ってくれたようだ。

ゴッホ、ゴーギャン、モネ、ロートレック、ミュシャ、ドガなどなど、ジャポニズムにより日本美術の影響を受けた画家は非常に多く、絵画の考え方、描き方そのものに大きな変革を与えた。

言葉は文化であるというようにその言葉を紐解くことで文化をより理解できる。

いまや世界の中でも注目を集める文化を擁する日本という国に生まれた以上、もっとこの文化について理解を深め、広めて行きたい。



こういった考え方から我が家では日本語に対する興味を持ってもらうこと日本の文化に興味を持つことを主眼とした教育をしているが、現在7歳のうちの子は毎年1000冊以上の本を読み(半分は洋書)、昨年は歌舞伎や狂言の舞台を踏み、今年に入って能の舞台を踏んだ。
最近は落語に興味があるそうで、時間があれば落語を聞いたりTVを見ているらしい。
大事なのはこれらを自発的にやっているということ。

言語や文字に対する興味を持たせるには遅くとも2歳からの教育が必須。
子供をあやしたり相手をさせるのにTVやゲームを使うとこういう子には育たない。
TVを見せておけば楽なのはわかる。
しかしそのツケはその子の将来にまわってくる。
我が家では物心つくまで「TVなんてものはこの世の中には無い」という教育を貫いた。
(英語教育の視聴デバイスとしてのみ使用したが)
生まれてからその存在を知らなければ「見たい」とも言わない。
そのおかげもあって本を読む子になった。
TVという存在を知った今でも「いつまで本を読んでいるの!」と怒られるほど毎日本を読んでいる。

日本の親御さんには是非、こういった環境作りをして日本語に興味を持つ子を育てて欲しい。
大変だとは思うけど、その子の将来、そして日本の将来がかかっているのだ。

あ、声優業界の将来もかかってる!


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小倉百人一首は我が家でもやっているが、そのドロドロとした人間関係がとても面白いと伊藤美来が言っているように「単なるかるた」ではない深~~いものがある。
「ちはやふる」の2期もスタートしたし、そういったことを切っ掛けにでもいいので、日本の文化に興味を持ってくれる人が増えるといいなと思う。


あ、今日、研修生の田辺留依(たなべるい)は百人一首が学年で3位だと聞いた。

たのもしい限りです
みんながんばれ~!!