顔が見える野菜。つい先日、Twitterタイムラインを眺めていたら、「キノコを買ったら、北海道産エリンギと長野県産ぶなしめじの生産者が同姓同名。消費者を騙すにもほどがない?」といった憤慨のツイートが流れ流れてやってきた。

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気になったので調べてみたところ、この商品、イトーヨーカドーがオリジナルブランド『顔が見える野菜。』として展開しているもの。
そしてツイートにつけられた商品IDで調べてみると、この商品は両方ともホクト株式会社のものであることが分かった。

さらに、書かれた同姓同名の「玉木敏明」さんというお名前。何故この離れた生産地2箇所で生産者名として書かれているのか?さらにはパッケージに付けられた顔イラストは全く同じもの。恐らく同一人物だろう。

実はこの玉木さん、ホクトの取締役きのこ生産本部長という肩書。そのため、代表として生産者に書かれているよう。
一応書かれている内容に「誤り無し」という事になる。

また、冒頭ツイートの発信者・工房もりふくろうさん(HN)は、後に他ユーザーからの指摘を受け、「記載に誤りはなかった」という内容をツイート。今のところ一見落着している。

 

ただこの一連の話。なんだか釈然としないものを筆者は感じた。
消費者から見れば「生産者=実際の生産農家」という意味合いで思い込んでいる。

まさか「生産者=会社の責任者」と一括りにされているとは考えてない。
さらに商品には『顔が見える野菜。』と書かれており、普通に考えれば「個人農家が丹精こめて作りましたよ」という印象を商品からは受ける。

ちなみにこの『顔が見える野菜。』公式サイトにはこんなことが書かれていた「顔が見える野菜。はイトーヨーカドーが生産者のひとりひとりと協力して、安心・安全でおいしい食品をおとどけします」。

いくら生産者として誤りではない記載であったとしても、消費者からすれば誤解して当然の内容なんじゃないだろうか?

ちなみにこの結果について、釈然としないものを感じている人は多くネットにはこんな意見があげられている。

・消費者目線がズレてる?
・玉木さんは生産者にはあたらないのでは?
・誤解を招く書き方
・商品に堂々ホクトの名を冠すべき
・今の表示だと個人農家が出しているように誤解する

などなど。

意見にもあるが、『顔が見える野菜。』として売り出し、更には個人名が書かれているから誤解が生まれるのであり、最初から「ホクト」と書かれていれば「あーホクトのね」で済んだ話である。

今回のこの騒動、一部ネットでは「工房もりふくろう」さんをデマ拡散者として非難する人もいるが、発端は誤解であったとしても誤解させる要素は充分にあったのではないだろうか?デマとして片付けるのではなく、本質はもっと問題視されるべきことなんじゃないかと思われて仕方ない。

協力:
工房もりふくろう@博物ふぇすさん(@toomanyowls)