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ソフトバンクがモバイルネットワークについて説明!

既報通り、ソフトバンクモバイルは21日、同社の携帯電話サービスを中心としたモバイルネットワークに関する説明会を開催した。

その中で、ソフトバンク向けの「iPhone 5」などで対応しているFDD-LTEサービス「SoftBank 4G LTE」において従来まで利用できていた2.1GHz帯(Band1)に加え、イー・アクセスが提供している1.7(1.8)GHz帯(Band3)も利用できる「ダブルLTE」を2013年3月21日(木)から提供開始することを発表した。

また、同説明会では、それ以外にもつながりやすさにおいて国内No.1を示すデータが示され、マクロセル基地局設置数や傘下のWireless City Planningが設置しているAGXPの基地局数や公衆無線LANスポット、バックボーンなども含めた総合したモバイルネットワークについて説明されたほか、一部のソーシャルネットワークサービス(SNS)などのWeb上で話題ともなっていた“パケ詰まり”についても定義が示された。

本記事では、同説明会の内容を簡単に速報として紹介する。なお、当ブログメディア「S-MAX(エスマックス)」では、別途、詳細なレポート記事を公開する予定だ。

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説明会では、決算説明会や新商品説明会以外で登壇するのは珍しくなったソフトバンクグループ代表の孫正義氏が登壇し、「スマホ時代のネットワークNo.1へ」と題したプレゼンテーションを行い、2010年に行った「電波改善宣言」からの長く熱い思いを語った。

◯少セル化による基地局数増加でつながりやすさNo.1へ
同氏によれば「電波改善宣言を行い、『なんとしても電波を改善するんだ』という思いを強く決意し、取り組んできた。本日は、その進展を報告する。」とし、さまざまな内容を紹介していった。

これは、電波改善宣言をしたときに調査した結果で、解約する最大の理由は電波が悪いという内容だったとし、つまり、圏外になってしまうとスマホといえ、なんであれ、使いものにならないため「ごもっともだ」と思い、改善することを強く決意したという。
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中でも、去年の7月25日から900MHz帯における3G携帯電話サービス「プラチナバンドサービス」を開始したが、半年で一気に立ち上げ、総務省に許認可を得るときに申請した内容である1万6千基地局の開設計画を大幅に上回り、今月末には2万局を設置できるとのこと。
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これは、この短期間で作った基地局としてはギネス記録ものではないかというくらいに一気に作り上げたとして、「どのくらいの勢いで基地局を設置したのか?」というユーザーからのお叱りも受けたが、十分に設置できているとした。

また、大雪などで設置が遅れるといった言い訳もできるが、設置している現場の写真を示し、現場では、大雪でも休まずに耐えて耐えて基地局を設置しており、彼らの必死の思いを報告するのもグループ代表の責務だという。
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さらに、基地局が増えてもつながらなければなんの意味もないじゃないかという指摘も受けたが、つながりやすさについても改善が見られており、最近では、“つながり率No.1”というテレビCMで流し出したが、これは第3者機関でもある世界第2位の調査会社でもあるイプソス社による調査で音声接続率およびデータ接続率でNo.1を得られるようになってきたとのことだ。
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調査では、プラチナバンド導入前の昨年7月25日時点では、大きく引き離された3位だったが、プラチナバンド導入後に他社と競える程度まで来て、現在では、毎日No.1ではないが、No.1のときもあり、むしろNo.1のときが増えている。

また、パケットデータ接続率も96.6%と、最近では、確実にNo.1になってきている。
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そこで、孫氏は「これは偶然でしょうか?」と問題提起し、1月に開催された2012年度第3四半期決算説明会で「もしかしたら」として報告したが、最近の調査では、比較的コンスタントにNo.1になってきたことを紹介。

特に、スマホ時代における“つながりやすさ”について説明し、スマホ時代では、利用しているサービスの中で、80%はデータ、6%は通話、残りはそれ以外となっていることから、パケット接続率が重大であることを強調した。
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ただし、過去5年間でデータ通信がどれくらい伸びたかというと、音声は1.3倍、データは60倍になっているため、パケット接続率で1位になるのは、音声接続率よりもさらにむずかしいと説明。同社では、つながりやすさ改善とは、パケット通信のための強化になるのだ、とした。

60倍は全国平均であって、実際に、都市部はそれ以上、100倍といった伸びになっており、これらに対応するために、さまざまな努力が必要となってきている。
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なお、質疑応答において、直近では、一昨年に発売した「iPhone 4S」と較べても、昨年発売したiPhone 5はデータ利用量が倍違うということが示された。iPhone 5が新しくLTEに対応したことを考えると少ないようにも思われるが、着実にデータ量は増加しているようだ。

つまり、スマホ時代の最大の課題は、パケット接続率の改善であり、その中でも最近特に話題となっているのが“パケ詰まり”であるとした。
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同社では、このパケ詰まりは「アンテナバーは立っているが、データが流れない」と定義しているという。パケ詰まりについては、質疑応答において一番のボトルネックはやはり無線アクセス網となる基地局数や周波数が大きいのは間違いないとしていた。
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電波が届いていない状態もストレスがたまるが、このパケ詰まりになるとさらにすごくイライラする、とし、パケ詰まり対策は必須と紹介。
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そこで、パケ詰まりに効果的な対策として“少セル化”を挙げた。5~6年前から少セル化に黙々と取り組んできたという。

1基地局に接続する同時接続(ユーザー)数をいくつにすればいいのかといったところを目安に基地局設置をしていくのだが、
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その結果、基地局数は他社を大きく上回っており、特に、電波改善宣言をしてから増加し、現在、他社の倍くらいになっている。例えば、NTTドコモは,
ユーザー数が倍くらいいるので、基地局数で割り算すると、倍の倍なので、4分の1で済むという。
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さらなる少セル化として、AXGPの基地局を2.5万設置し、公衆無線LAN(Wi-Fi)スポットを45万設置したほか、自宅など向けに無線LANルーターを無償で配った結果、340万にも上っている。
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つながりやすさに加え、データ通信速度でもRBB TODAYの調査によると、NTTドコモやKDDIと比較して最速であることを紹介した。
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◯ダブルLTEが開始
これらを踏まえた上で、本日3月21日からイー・アクセスのLTE網も利用できる「ダブルLTE」を開始する。
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ダブルLTEでは、混雑状況に応じて自動的に最適なネットワークを選択するため、より安定した快適なLTEの通信サービスを提供できるようになるとのこと。

現時点で利用できる対応機種は、iPhone 5のほか、SoftBank 4G LTEに対応したiPad miniおよび新しいiPad Retinaディスプレイモデルの3機種。

ダブルLTEについては、追加利用料などは必要なく、2.1GHz帯に加え、1.7GHz帯でも利用できるようになる。対応機種については、iPhone 5やiPad miniなど以外にも広げていくとし、1.7GHzの必要なチップがiPhone 5などでは、たまたま世界スタンダードなので自動的に入っていたので、利用できるようになる。他の機種については、これから発売していくモデルには内蔵していく予定とのことだ。
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また、利用可能エリアについては、まずは山手線、池袋周辺が一番早く利用できるとし、都市部の混雑しているところからはじめるとのこと。その後、数100箇所、数1000箇所と増やしていき、全国に人事拡大していき、今年の12月くらいには大半のところがダブルLTE化するという。ダブルLTE対応SoftBank 4G LTE基地局は、2014年3月末には3.8万局になる計画。
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なお、このダブルLTEについては、孫社長が「高速道路」の複数車線化に例えて、わかりやすく紹介していた。
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◯東京メトロ全線全区間がエリア化
他にも、NTTドコモやKDDI、イー・アクセスとともに4社共通で、東京メトロ全線で携帯電話のエリア化が実現したことも紹介。東京メトロについては、別途、記事にしているので参照して欲しい。


◯バックボーンも含めたバランスの良いネットワークを構築でノー大規模障害時間を更新中
バックボーンについても触れ、ソフトバンクグループでは、フルIPベースのバックボーンをはじめて構築し、フルメッシュ化してきた。80%はギガビット化されており、世界で最も進んでいるネットワークだという。
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さらに、東京が倒れても大阪に流せる、大阪が倒れたら東京に流せるというように、構造を冗長化しているとのことだ。

これらのことから、NTTドコモやKDDIが何度が大きな障害を起こしたことを取り上げ、総務省に報告義務のある2時間以上、影響契約数3万以上といった障害を5年間1度も起こしていないとまとめた。
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記事執筆:S-MAX


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「ダブルLTE」の提供開始について | ソフトバンクモバイル株式会社
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