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日本HP、10GBASE-Tを48ポート備えたボックス型ToRスイッチ~TRILLや仮想スイッチ機能にも対応

HP 5900AF-48XGT-40QSFP+ スイッチ

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は16日、ハイエンドクラスのボックス型レイヤ3スイッチ「HP 5900シリーズ」のラインアップに、10GBASE-Tを48ポート搭載した「HP 5900AF-48XGT-40QSFP+ スイッチ」を追加すると発表した。参考価格は383万2500円から。

 「HP 5900AF-48XGT-40QSFP+ スイッチ」は、10GBASE-T×48ポート、40G QSFP+×4ポートを搭載し、トップオブラック(ToR)での使用に適した、1Uサイズのボックス型レイヤ3スイッチである。

 その特徴は、なんと言っても10GBASE-Tを高密度に実装している点だ。10GBASE-Tで利用するカテゴリ6A/カテゴリ7のUTPケーブルを100mまでの距離で利用できるほか、光ファイバーやダイレクトアタッチケーブルと比べて、圧倒的に取り回しがしやすい。

 さらにはコストの安さが魅力的だという。日本HP インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 HPネットワーク製品企画部の尾崎亨氏によれば、光ファイバーよりも大幅に安く済む安いダイレクトアタッチケーブルと比べても、接続コストを66%削減できるとのことで、「これまで価格面で二の脚を踏んでいた企業も、導入に前向きになるのではないか」との期待を示している。

10GBASE-TではUTPケーブルを利用でき、取り回しがしやすいだけでなく、価格面でも圧倒的に安く済むという
日本HP インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 HPネットワーク製品企画部の尾崎亨氏

 また、アップリンク用の40GbEポートを備えていることから、「広帯域なアプリにも柔軟に対応可能」(尾崎氏)な点もメリット。加えて、「HP 5900シリーズ」が共通して搭載する仮想シャーシ機能「HP Intelligent Resilient Framework 2(IRF)」を利用すると、最大4台までの同シリーズスイッチを40GbE/10GbEで接続し、1つの大型スイッチであるかのように動作させることもできる。これによって、管理面を統合できるほか、冗長化についても、スパニングツリー(STP)やVRRPといった、複雑な設計を必要とする従来の技術は不要になるので、管理者の負荷を軽減できるとのこと。

 さらに「HP 5900シリーズ」では標準機能でTRILLをサポートし、レイヤ2ネットワークにおけるマルチパス化を容易に実現できるようにしている。尾崎氏は、「IRFがあるとはいえ、IRF群同士の接続や多機種との接続などでは、やはり旧来のSTPなどに頼らざるを得なかったが、TRILLによってこれを解決できるようになった。また標準化ベースのTRILLを利用することで、今後は他社製品との接続なども可能になる」と、その意義を説明している。

IRFテクノロジーのメリット
TRILLにも標準対応する
HP 5900AF-48XGT-40QSFP+ スイッチの特徴

(石井 一志)