『創』編集部
篠田博之さま
メール拝読しました。
「『創』の状況を理解した上で応援してくれていると都合よく考えてしまっていた」
という篠田さんの言葉に仰天しました。
私は、篠田さんにエッセイ連載の「仕事」を依頼され(原稿料を提示され)、納得できる条件だったので、エッセイ連載の「仕事」を受けたのです。
私は「応援」や「ボランティア」で原稿を書いたことは一度もありません。
何故なら、私は原稿を書くことだけで生計を立てているからです。
繰り返しますが、私は原稿収入だけで、家族を養っているのです。
「応援」や「ボランティア」で原稿を書く余裕は全くありません。
『創』編集長である篠田さんが「10年以上前から無報酬」だとか、一水会の鈴木邦男氏に「原稿料をそのまま出資に回していただいて株主になっていただいたり」などということは、私には全く関係のないことです。
『創』執筆者の一人である「阿蘇山大噴火」氏がツイッター(https://twitter.com/asozan_daifunka)で今日、「柳美里さんの一件で月刊創が注目されてる!私も連載陣の一人だけど、12年間ちゃんとお金貰ってるけどなぁ。人によって何か違いがあるのかね?」とツイートしていました。
「阿蘇山大噴火」氏に毎月欠かさず稿料を支払って、柳美里に支払わない理由は何ですか?
しかも、私は「原稿料を振り込んでいただきたい」とお願いし続けているのです。
篠田さんは、「もう稿料を支払うことはできないから、ボランティアで書いてほしい」などとは一度も言っていないのですよ。
「この5年ほどの売り上げ落ち込みも底を打った感じなので、今年は単行本を増やして支払額を増やしたいと思っています。(2013年6月24日に届いたメール)」などと私に希望を持たせて、稿料支払いを先延ばしにしてきたのです。
出版不況の実情は知っております。
その波をかぶっているのは、『創』や篠田さんだけではありません。
他の出版社や編集者、書店や書店経営者や書店員、出版取次や印刷会社、小説・詩歌・ノンフィクション・漫画・写真など、あらゆるジャンルの執筆者が苦境に陥っているのです。
私もまた、困窮を極めるなかで、それでも自分には書くことしかできない、と毎日書いているのです。
「慙愧に堪えません」ではなく、原稿料を支払ってください。
明日、原稿料未払金の総額と、いつまでにお支払いいただけるのか明らかにしていただけるとのこと――、お待ちしております。
柳美里
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